介護事業所のホームページに採用ページを作り、募集要項も掲載している。それでも、なかなか応募につながらない。
その原因は、採用条件そのものではなく、採用ページでの伝え方にあるかもしれません。
「介護業務全般」「アットホームな職場」「未経験者歓迎」といった表現は、介護事業所の求人でよく使われています。しかし、これだけでは求職者が実際に働く姿をイメージできません。
事業所側では十分に説明しているつもりでも、求職者にとっては、

- どのような仕事をするのか
- 未経験でも本当に働けるのか
- 給与はいくらになるのか
- 休みは取れるのか
- どこから応募すればよいのか
といった疑問が残っている場合があります。
この記事では、介護事業所の採用ページでよく見られる10のNG例と、その改善方法を紹介します。
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介護事業所の採用ページでよくあるNG例10選
1.仕事内容が「介護業務全般」だけ

NG例
利用者様への介護業務全般を行っていただきます。
採用ページや求人票でよく見かける表現ですが、これだけでは具体的な仕事内容が分かりません。
同じ介護職でも、訪問介護、デイサービス、特別養護老人ホーム、有料老人ホームなど、サービス種別によって業務内容は異なります。
求職者が知りたいのは、「介護の仕事かどうか」だけではありません。
- 身体介護はどの程度あるのか
- 送迎業務はあるのか
- 調理や清掃を担当するのか
- 夜勤はあるのか
- 記録は紙かタブレットか
- 入職後すぐに一人で対応するのか
といった、実際の働き方です。
改善例
利用者宅を訪問し、掃除や買い物などの生活援助、排泄介助や入浴介助などの身体介護を行います。記録にはスマートフォンを使用します。入職後はサービス提供責任者が同行し、本人と相談しながら一人での訪問を開始します。
すべての業務を細かく並べる必要はありません。求職者が一日の仕事をイメージできる程度に、具体的な業務を書きましょう。
2.「アットホームな職場」としか書いていない
NG例
スタッフ同士の仲が良く、アットホームな職場です。
「アットホーム」は便利な表現ですが、具体的な職場環境は伝わりません。
どのような事業所でも使える言葉であるため、ほかの求人との違いも分かりにくくなります。
また、人によっては「人間関係の距離が近すぎるのではないか」「仕事とプライベートの区別が曖昧なのではないか」と受け取る可能性もあります。
改善例
アットホームという言葉を使う代わりに、職場の様子が分かる事実を書きます。
毎朝10分間のミーティングを行い、利用者の状況や困っていることを共有しています。訪問中に判断に迷った場合は、管理者やサービス提供責任者へ電話やチャットで相談できます。
ほかにも、次のような情報が職場の雰囲気を伝える材料になります。
- 職員の年齢層
- 平均勤続年数
- ミーティングの頻度
- 新人をフォローする仕組み
- 職員同士の連絡方法
- 休憩の取り方
- 子育て中の職員の在籍状況
抽象的な言葉を、実際の取り組みや職場の様子に置き換えることが重要です。
3.未経験者歓迎なのに教育体制が書かれていない
NG例
未経験者歓迎。先輩スタッフが丁寧に指導します。
未経験者にとって、「丁寧に指導します」だけでは十分な安心材料になりません。
特に介護の仕事では、利用者の身体に直接触れる場面や、一人で判断しなければならない場面があります。
求職者は、次のような不安を抱えています。
- 入職後すぐに一人で対応させられないか
- 誰が仕事を教えてくれるのか
- 同行や研修は何回あるのか
- 分からないときに相談できるのか
- 独り立ちの時期はどのように決まるのか
改善例
入職後は担当職員が同行し、業務の流れや記録方法を説明します。独り立ちの時期は一律に決めず、本人と担当者が相談したうえで決定します。一人で対応を始めた後も、判断に迷った場合は管理者へ連絡できます。
研修制度の名称を並べるだけではなく、入職してから仕事を覚えるまでの流れを示すと、働くイメージが伝わりやすくなります。
4.代表メッセージが求職者向けになっていない
NG例
私たちは地域福祉の発展に貢献し、利用者様一人ひとりに寄り添ったサービスを提供しています。
法人の理念やサービスへの思いを伝えることは大切です。
しかし、利用者や家族に向けた代表挨拶を、そのまま採用ページに掲載しても、求職者が知りたい情報には十分に答えられません。
採用ページで求職者が知りたいのは、次のような内容です。
- なぜ職員を募集しているのか
- どのような人と一緒に働きたいのか
- 職員をどのように育てたいのか
- 働く職員をどのように支えるのか
- どのような職場をつくりたいのか
改善例
経験年数だけではなく、利用者や同僚に誠実に向き合える方と一緒に働きたいと考えています。分からないことや不安なことを一人で抱え込まず、相談できる職場づくりを大切にしています。
代表メッセージを長くする必要はありません。
法人の理念を説明するだけで終わらせず、これから入職する人に何を伝えたいのかを明確にしましょう。
5.募集情報が古く、現在も募集しているのか分からない
採用ページが長期間更新されている様子がないと、求職者は「現在も募集しているのだろうか」と不安になります。
NG例
- 数年前の募集日が掲載されている
- すでに募集を終了した職種が残っている
- 「現在募集中」とあるが更新時期が分からない
- 求人媒体と自社サイトで給与や勤務条件が違う
- 募集状況が「詳しくはお問い合わせください」だけになっている
採用ページを作った時点では正しい情報でも、職員配置や採用状況、給与条件は変わることがあります。
古い情報が残っていると、ホームページ全体への信頼にも影響します。
改善例
- 「2026年7月現在」など、情報の更新時点を示す
- 募集中の職種と募集終了した職種を分ける
- 求人媒体と自社サイトの条件を定期的に確認する
- 募集を終了した場合は「現在募集していません」と明記する
- 採用ページの更新担当者を決める
募集していない職種でも、「募集再開時のお知らせを希望する」「見学について問い合わせる」といった窓口を残す方法もあります。
6.実際の職場が分かる写真がない
フリー素材の介護職員が笑顔で利用者に接している写真だけでは、実際の職場の様子は分かりません。
NG例
- フリー素材だけで構成されている
- 建物の外観写真しかない
- 実際に働く職員が一人も写っていない
- 写真が古く、現在の職場と違う
- 何をしている写真なのか説明がない
求職者は、文章だけでなく写真からも職場を判断します。
ただし、利用者の顔が写った写真を無理に掲載する必要はありません。
改善例
次のような写真でも、職場の具体的な様子を伝えられます。
- 事務所やスタッフルーム
- 職員同士のミーティング
- 使用しているパソコンやタブレット
- 訪問に使用する車両や自転車
- 研修の様子
- 訪問時に持ち歩くバッグや物品
- 職員の後ろ姿や仕事中の手元
- 休憩スペース
写真には、「毎朝の情報共有」「タブレットを使った記録」などの説明を添えると、働き方がさらに伝わりやすくなります。
7.給与の内訳が分からない

NG例
月給25万円以上
各種手当を含む
月給の金額だけを大きく掲載しても、何が含まれているのか分からなければ、求職者は実際の待遇を比較できません。
介護職の給与には、さまざまな手当が含まれる場合があります。
- 基本給
- 処遇改善に関する手当
- 資格手当
- 職務手当
- 夜勤手当
- 住宅手当
- 固定残業代
- 交通費
特に夜勤手当を含んだ金額を掲載する場合は、何回分の夜勤を想定しているのかが分からないと、実際の給与をイメージできません。
改善例
月給25万円
・基本給:20万円
・処遇改善手当:2万円
・介護福祉士資格手当:1万円
・夜勤手当:2万円(月4回分)別途、通勤手当を支給します。
賞与についても、「賞与あり」だけではなく、支給時期や前年度実績など、掲載できる情報を加えます。
金額を高く見せることよりも、求職者が入職後の給与を正しくイメージできることが大切です。
8.勤務時間・休日・残業の実態が分からない
NG例
残業ほぼなし。休みの取りやすい職場です。
「ほぼなし」「取りやすい」という表現だけでは、実際の働き方は分かりません。
求職者が確認したいのは、次のような具体的な情報です。
- シフトの時間帯
- 夜勤の回数
- 年間休日
- 希望休の申請方法
- シフトが決まる時期
- 有給休暇の取得状況
- 月平均の残業時間
- 休日出勤の有無
- 子どもの急な体調不良への対応
改善例
月平均の残業時間は約4時間です。希望休は月3日まで申請でき、翌月のシフトは毎月20日頃に確定します。
夜勤は月4回程度です。夜勤は介護職員2名体制で行います。
すべての数字を公開できない場合は、休暇やシフトがどのように決まるのか、運用方法を説明するだけでも働き方が伝わりやすくなります。
9.複数の職種を一つの募集要項にまとめている
「スタッフ募集」という一つのページに、介護職、看護職、ケアマネジャー、生活相談員などの条件がまとめられているケースがあります。
しかし、職種によって求職者が知りたい情報は異なります。
- 仕事内容
- 必要な資格
- 経験の条件
- 給与
- 勤務時間
- 夜勤の有無
- 配属先
- 求める人物像
これらが一つのページに混在すると、自分が応募したい職種の条件を探しにくくなります。
改善例
職種ごとに募集要項を分けます。
- 介護職員
- 訪問介護員
- サービス提供責任者
- 看護職員
- ケアマネジャー
- 生活相談員
- 事務職員
また、同じ職種でも、正社員、パート、夜勤専従、登録ヘルパーなどで条件が異なる場合は、雇用形態ごとに分けると分かりやすくなります。
募集要項の最初に職種や雇用形態を選択できる一覧を設ける方法もあります。
10.採用ページを読んでも応募方法が分からない

採用ページを最後まで読んでも、どこから応募すればよいのか分からないホームページがあります。
NG例
- 「お問い合わせ」ボタンしかない
- 利用者や家族向けの問い合わせフォームと共通になっている
- 採用担当者の連絡先が分からない
- 電話番号はあるが、応募に使ってよいのか分からない
- 採用ページから応募フォームへ移動できない
- ボタンを押すと説明なく外部求人サイトへ移動する
- 職場見学だけでも申し込めるのか分からない
「お問い合わせ」という表現だけでは、求職者は応募に使ってよいフォームなのか判断できません。
問い合わせフォームを開いた後に、「サービス利用について」「資料請求」といった利用者向けの項目しかなければ、そこで離脱してしまう可能性があります。
改善例
求職者の目的に合わせて、ボタンの内容を明確にします。
- この求人に応募する
- 職場見学を申し込む
- 採用について質問する
- 電話で採用担当者に相談する
フォームにも、次のような採用専用の項目を設けることも検討しましょう。
- 希望職種
- 希望する雇用形態
- 保有資格
- 希望する連絡方法
- 連絡可能な時間帯
- 見学または応募の希望
ただし、最初から履歴書と同じ量の情報を入力させる必要はありません。
フォームの入力項目が多すぎると離脱の原因になってしまうからです。
入力してもらう内容は最小限に絞りつつ、明確でわかりやすい応募の導線にしていきましょう。
応募するか迷っている人も連絡できるように、職場見学や質問の窓口を用意すると、求職者が次の行動を選びやすくなります。
採用ページは「事業所が伝えたいこと」だけでは作れない
採用ページでよくある問題は、単に情報が不足していることではありません。
事業所が伝えたい情報と、求職者が知りたい情報がずれていることがあります。
事業所が伝えたいのは、
- 法人理念
- 法人の歴史
- 地域への思い
- 介護サービスへのこだわり
- 利用者との関わり
といった内容です。
もちろん、これらも職場を選ぶうえで大切な情報です。
一方、求職者はそれと同時に、
- 実際に担当する仕事
- 給与の内訳
- 勤務時間と休日
- 夜勤や残業の実態
- 入職後の教育体制
- 職員同士の関係
- 応募から採用までの流れ
を確認しています。
法人理念や職場の魅力を削るのではなく、求職者が必要とする情報を見つけやすい順番で配置することが重要です。
介護事業所の採用ページを確認するチェックリスト
自社の採用ページを、次の項目で確認してみましょう。
- 仕事内容が「介護業務全般」だけになっていないか
- 抽象的な表現を具体的な事実に置き換えているか
- 未経験者への教育方法が書かれているか
- 代表メッセージが求職者に向けて書かれているか
- 募集情報の更新時期が分かるか
- 実際の職場が分かる写真があるか
- 給与の内訳が分かるか
- 勤務時間、休日、残業の実態が分かるか
- 職種や雇用形態ごとに募集要項が分かれているか
- 応募方法がすぐに分かるか
- 職場見学や質問だけでも連絡できるか
- スマートフォンでも読みやすいか
一つでも分かりにくい項目があれば、求職者も同じところで迷っている可能性があります。
まとめ|求職者が働く姿をイメージできる採用ページへ
介護事業所の採用ページでは、書かれている内容が間違っていなくても、表現が抽象的だったり、求職者向けに整理されていなかったりすると、職場の魅力が十分に伝わりません。
「アットホームな職場」「未経験者歓迎」「介護業務全般」といった表現を使う場合も、それを裏付ける具体的な事実や取り組みを加えることが大切です。
採用ページは、事業所が伝えたいことを一方的に掲載する場所ではありません。
求職者の疑問や不安に答え、その職場で働く自分をイメージしてもらい、応募や見学という次の行動につなげるためのページです。
ウェルコネクトでは、介護・福祉事業所に特化したホームページ制作や採用ページの改善を行っています。
- 採用ページを作ったが応募につながらない
- 求人媒体以外からの直接応募を増やしたい
- 自社の強みをどのように掲載すればよいか分からない
- 採用ページや応募フォームの導線を見直したい
- 介護業界を理解している制作会社に相談したい
このようなお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。

編集:
介護福祉ウェブ制作ウェルコネクト
編集部(主任介護支援専門員)
ケアマネジャーや地域包括支援センターなど相談業務に携わった経験や多職種連携スキルをもとに、介護福祉専門のウェブ制作ウェルコネクトを設立。情報発信と介護事業者に特化したウェブ制作サービスとAIを活用した業務改善提案を行う。



