介護事業所のホームページ制作、よくある失敗【実例付き】

なぜ介護事業者のホームページは失敗する?

介護事業のホームページ制作。実は「失敗した!」と感じている事業者、かなり多いんです。

介護事業特化のホームページ制作業者として、ホームページのリニューアル・乗り換えの相談を受けると、「デザインが古い」「スマートフォンで見づらい」「暗号化通信に対応できるようにしたい」「そろそろ作り直したい」といった声をよく聞きます。

もちろん、見た目や使いやすさは大事です。ただ、実際にサイトを拝見すると、問題の門失がもっと根深いものだと感じることも少なくありません。

更新が止まっている。人手不足なのに採用情報のページがない。事業所の増減やサービスの変更にサイト構成がついていけていない。誰に向けて何を伝えるホームページなのかが曖昧になっている。
そうした問題が積み重なって、結果として「使いにくいサイト」「ホームページ制作の失敗」になっているケースを多く見てきました。

20年以上、介護事業所のホームページ制作やリニューアルに関わってきて感じるのは、こうした失敗には共通点があるということです。

その共通点をひと言でいえば、柔軟性のなさです。

介護業界は、制度改正の影響を受けやすく、事業環境も変化しやすい業界です。新しいサービスが始まることもあれば、事業所の統合や再編が起こることもあります。採用の優先度が急に高まることもあれば、ケアマネジャーや医療機関との連携強化が課題になることもあります。

そうした変化が前提にあるにもかかわらず、ホームページだけが最初に作ったまま硬直している。ホームページの完成・オープンがゴールになっている。
これが、リニューアルの相談でよく見えてくる本質的な問題です。

今回は、介護事業所のホームページでよくある失敗について、リニューアル相談の現場で見えてくる典型的なパターンとして整理してみます。

この記事のコンテンツ

介護事業所のホームページ制作でよくある失敗とは

なぜホームページを作ったのに活用されなくなるのか

それはズバリ、公開後の運用が想定されていないからです。

ホームページは公開した瞬間に完成するものではなく、公開してから育てていくものです。ところが、実際には「作ること」がゴールになってしまい、公開後にどう更新するか、どんな情報を追加していくか、誰がどのように運用するかが十分に考えられていないケースが少なくありません。

その結果、最初の数か月は動いていても、次第に更新頻度が落ち、気づけば新着情報が数年前で止まっていたり、掲載内容が現状と合わなくなっていたりします。見た目の問題というより、運用の前提が欠けていることが、活用されないホームページを生み出しているのです。

なぜホームページの更新は止まってしまうのか

変化を想定しない構造で作られているからです。

介護事業所のホームページは、作った時点で必要な情報だけを並べればよいわけではありません。数年運営していれば、事業所が増えることもあれば、サービス内容が変わることもあります。採用に力を入れたい時期もあれば、地域への周知を強めたい時期もあります。もちろん、制度の変更で掲載しなければいけない情報が追加されることもあります。

その変化に対応できる構造になっていないと、何かを追加するたびにページを継ぎ足すことになり、全体の整理が崩れていきます。すると、見る側にも分かりにくく、更新する側にも扱いにくいサイトになっていきます。

なぜリニューアルの相談が増えるのか

最初の設計に柔軟性がないからです。

リニューアルが必要になる理由は、デザインの古さだけではありません。むしろ多いのは、いまの事業の実態にホームページが合わなくなっているケースです。事業所数やサービス展開、採用方針、ターゲットの見せ方など、現場が変わっているのにサイトだけが昔のまま残っている。そうなると、部分修正では追いつかなくなり、リニューアルの相談につながります。

特に今、業界全体に人手不足が進んでおり、求人広告を出してもなかなか採用ができず、人材紹介に依存している事業者も少なくない状況です。ホームページを採用に活かさない手はありません。

リニューアルの必要性は、単に古いからではなく、いまの運用に耐えられなくなっているから生まれることが多いのです。

介護事業者のホームページ制作にはいくつかの典型的な失敗パターンがあります。ここからはその特徴を紹介していきます。

介護事業所ホームページの失敗、その共通点

失敗① 更新を前提としていないホームページ

なぜホームページが更新されなくなるのか

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更新を想定した設計になっていないホームページ

よく「更新されないホームページ」と言いますが、実際には「更新しない」のではなく、「更新する前提で作られていない」ことが問題です。

介護事業所では、人員体制の変化、サービス内容の見直し、加算や体制の変更、写真の差し替え、採用情報の更新など、細かな情報修正が継続的に発生します。本来、そうした変更に対応しやすい仕組みが必要です。

しかし実際には、テキスト一つ直すのにも制作会社に予算追加が必要だったり、更新画面が複雑で担当者が使いこなせなかったり、そもそもどこを触ればよいのか分からなかったりするサイトも少なくありません。
これでは、日常業務の中でホームページ更新が後回しになるのは当然です。

なぜ担当者を置いていてもホームページが更新できないのか

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介護業界を理解していない制作業者が作るホームページ

介護事業所の現場では、ホームページ専任の担当者がいるケースは多くありません。管理者や事務職員、採用担当者、パソコンに強い現場スタッフなどが通常業務の合間に対応することが一般的です。だからこそ、誰でも分かるシンプルな更新設計が必要です。

ところが、介護業界の実情を知らない制作業者が作ると、見た目や機能は整っていても、運用のしやすさが置き去りになりがちです。更新方法が複雑で、引き継ぎもしづらく、一部の担当者しか触れないサイトになってしまう。そうなると、その担当者が異動したり退職したりした時点で更新が止まりやすくなります。

更新しやすいホームページとは、高機能なサイトではなく、現場で無理なく扱えるサイトです。この視点が抜けると、公開後すぐに運用が行き詰まります。

なぜ新着情報は止まったままになるのか

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更新の概念自体がないホームページ

新着情報やお知らせは、多くのホームページでよく見られる機能です。しかし、ただ機能があるだけでは意味がありません。誰が、どのタイミングで、どのレベルの内容を更新するのかまで設計されていないと、すぐに止まってしまいます。

多くの制作業者にとってはホームページ完成と公開がゴールであって、それ以降の運用に関しては二の次、三の次です。完成時点で見栄えのいいものを作るために、多くのものを削ぎ落してしまっているのが事実です。

更新できるかどうかは、担当者のやる気ではなく、設計の問題です。ここを取り違えると、ホームページはすぐに放置されるものになります。

失敗② 介護事業所ホームページのターゲット理解

誰に向けて何を伝えるかが整理されているか

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クライアントが喜びそうなホームページが正解ではない

一般的なホームページ制作業者が意識するのは、クライアントである介護事業者が満足するホームページのデザインです。完成・公開がゴールなのですから、そこで評価されて報酬をもらうことにフォーカスします。
ただ、大事なのはホームページを誰に見てもらうのか、です。

介護事業所のホームページは、一般的な企業サイトよりも、見る人の幅が広いという特徴があります。利用者本人、家族、ケアマネジャー、医療機関、行政、地域住民、そして求職者。立場によって知りたい情報が大きく違います。

それにもかかわらず、ホームページ全体がなんとなく設計された情報の塊になっているだけでは、誰にとっても分かりにくいサイトになります。これでは必要な人に必要な情報は届きません。

介護事業所のホームページは、単に事業案内を載せる場所ではなく、複数の相手に対して適切に情報を届ける情報設計が必要です。

ケアマネ・利用者・家族、その違いを意識しているか

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見る人ごとの情報設計が不足しているケースが多いです。

たとえばケアマネジャーが知りたいのは、サービス内容や対象者、受け入れ状況、加算算定状況、連携のしやすさなどです。一方で利用者本人や家族が知りたいのは、安心感や雰囲気、利用の流れ、費用感、スタッフの様子かもしれません。医療機関や行政が見る場合には、医療対応の受け入れ状況や地域連携などが重要になることもあります。

こうした違いを整理せずにただただ情報を並べてしまうと、必要な情報にたどり着きにくくなります。すべての人に同じ説明をしても、実際には誰にも響かないホームページになりやすいのです。

介護事業所のホームページでは、誰が何を知りたいのかを前提に、入口と導線を整理しておくことが重要です。

求職者にとって魅力が伝わる構成になっているか

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採用を想定したサイト設計になっていない。

求職者も、いまやホームページをしっかり見ています。特に若い世代であれば90%以上は応募する職場のホームページは見ると言われています。求人媒体だけでは分からない法人の雰囲気や考え方、働く環境、事業の広がり、現場の空気感を確認するためです。

ところが、介護事業所のホームページでは、採用情報が少し付け足された程度になっているケースがよくあります。仕事内容や待遇だけが簡単に載っているだけでは、その職場で働くイメージは伝わりません。

求職者に見られることを意識していないサイトは、採用面で大きな機会損失につながります。ホームページ全体が求職者からどう見えるか、どんな情報を出して、どんな人に来てもらいたいかを考える必要があります。

失敗③ 採用を考えていないホームページ

なぜホームページが採用に活用されないのか

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採用に関する解像度が低く、魅力を感じないから

介護業界では、人材確保が大きな経営課題になっています。それにもかかわらず、ホームページ上の採用情報が最低限の募集要項だけで終わっているケースは少なくありません。

募集職種、勤務地、給与、勤務時間だけを並べても、それだけでは応募の決め手にはなりにくいものです。求職者は条件だけでなく、どんな法人なのか、どんな人が働いているのか、自分に合う職場なのかを見ています。

ホームページが採用に活用されないのは、採用情報があるかないかではなく、採用のために作られているかどうかの違いです。

より求職者の解像度を高くし、ペルソナを設計し、その人が抱えている課題や不満は、ここで働くことで一緒に解決できる、という魅力を打ち出していくことが必要です。
それを考えることができない制作者が作るホームページに可能性はありません。

求職者が知りたい情報が掲載されているか

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求職者の不安を解消できるホームページかどうか

求職者が本当に知りたいのは、求人票では分からない部分です。職場の雰囲気、スタッフ同士の関係性、教育体制、働き方の特徴、法人として大切にしていること、どんな人が活躍しているか。そうした情報があることで、応募前の不安が減り、その法人らしさが伝わります。

夜勤を経験していない人であれば、「夜勤って体力的に大変じゃないかな?」「生活リズムが崩れたりしないかな」と心配になります。
訪問系のサービスを経験していない人は「利用者のお宅への訪問ってどんな移動手段があるの?」「一人で行動していて緊急の時ってどうしたらいいの?」と不安になります。
子育てをしている人は「子供が急に熱を出したりしたら休むことはできるの?」「子供のお迎えの時間に間に合うのかな?」と子育てとの両立に不安を感じるでしょう。
このような疑問を解消できる場がホームページです。

求職者の悩みや不安を解決し、働く場としての魅力を伝えられているかどうかが、採用におけるホームページの価値となります。

応募につながる導線が作られているか

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求職者を意識した動線が作られているかどうかが重要

採用を本気で考えていないサイトでは、応募導線も弱くなりがちです。採用ページが見つけにくい、フォームが使いにくい、どこから応募すればよいか分かりにくい。これでは、興味を持った求職者を逃してしまいます。

採用情報からすぐに応募フォームにつながる。
または、応募に至らなくてもLINEの友だち登録やインスタグラムなどのSNSのフォローなど、緩いつながりを確保できる仕組みも非常に有効です。SNSからの流入経路なども含めて全体設計として、応募や相談を獲得できるかが重要です。

失敗④ 事業所の変化に対応できないホームページ

事業所が増えたときサイトは整理できるか

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介護事業者が変化することを想定できていないホームページ

介護事業所では、事業所の新設や統合、移転などが起こることがあります。最初は数ページで十分だったサイトでも、事業所が増えるにつれて情報量が増え、構成の再構築が必要になります。

ところが、初期設計が硬直していると、構成の変更は容易ではありません。
メニューを増やせばレイアウトが崩れる。
ページを増やしても動線が弱くて全然アクセスがされない。
後付け感が強く、統一感のないサイトになってしまう。

事業所の増減が起こる可能性を前提に、拡張しやすい構造にしておくことは、介護業界では特に重要です。

ホームページの価値が見映えの良さの犠牲になっていないか

もちろん見映えのいいホームページの価値がないとは思いません。それが事業所の特徴を示すものであればそれはもちろんこだわるべきでしょう。

ただ、隙のない美しさを持ったホームページは拡張性に乏しくなり、その後の変化に対応できなくなります。検索からの流入も獲得できなくなり、せっかく高いコストをかけて作ったホームページであっても、それは誰にも見られないただの置物になってしまうかもしれないのです。

介護事業所のホームページに必要なのは柔軟性

ホームページは完成品ではなく、育てていくもの

ホームページを作る時、多くの人が「完成」を意識します。しかし実際には、ホームページは作って終わりではありません。公開したあとに、情報を追加・更新し、必要に応じて構成を変えていくことで、正しく情報を伝え、結果を残す、価値のあるホームページになっていきます。

最初にすべてを決め切ろうとするよりも、運用しながら改善しやすい状態を作っておく方が、長い目で見て価値のあるホームページになります。

介護事業は制度や事業展開で変化する

介護業界は、制度改正の影響を受けやすく、現場の状況も変わりやすい業界です。事業内容、受け入れ体制、採用方針、地域との関わり方など、ホームページに反映すべきことは少しずつ変わっていきます。

だからこそ、介護事業所のホームページには、きれいに作ること以上に、変わっていけることが求められます。最初からガッチリ固めすぎたサイトは、見た目は整っていても、数年後には現場とのズレが大きくなりやすいのです。

20年間、介護特化のホームページ制作事業をしてきて感じること

Information

ガッチガチのサイトに未来はありません。

これは少し強い言い方かもしれませんが、リニューアルの相談を受ける中で何度も感じてきたことです。作った時点では整って見えるサイトでも、柔軟性がなければ、変化の多い介護業界ではすぐに無理が出てきます。

更新を前提としていない。複数のターゲットが整理されていない。採用が後回しになっている。事業所の増減やサービス変更に対応できない。そうした問題の多くは、最初の段階で「変化すること」を想定していないことから生まれています。

ホームページに必要なのは、完成度の高さだけではありません。変化を受け止められる柔らかさです。介護事業そのものが変化し続ける以上、ホームページもまた、変化に対応できるものであるべきだと思います。

介護事業所のホームページ制作を考えるときに大切なこと

成功するホームページとは何か

リニューアルではデザインだけでなく構造を見直す

ホームページを作り直すとき、まず気になるのはデザインかもしれません。ただ、本当に見直すべきなのは、見た目だけではなく、情報の整理の仕方や運用のしやすさ、ターゲットへの伝わり方です。

いまのホームページに違和感があるなら、その原因はデザインの古さだけではないかもしれません。更新しにくい、採用に使えていない、事業の変化に合わない。そうした構造的な問題がないかを確認することが大切です。

更新・採用・事業展開を見据えた設計が必要

介護事業所のホームページは、法人案内、営業支援、採用、地域への周知など、複数の役割を持ちます。その役割を整理したうえで、更新しやすく、情報を育てやすく、将来の変化にも対応しやすい設計にしておくことが重要です。

見栄えのよいサイトより、現場で使い続けられるサイトの方が、結果として価値があります。

いまのホームページに違和感があるなら

いまのホームページに対して、なんとなく使いにくい、情報が古い、採用につながっていない、拠点が増えて整理しきれない、そんな違和感があるなら、それはリニューアルを考えるサインかもしれません。

ただし、単に新しく作り直すだけでは同じ問題を繰り返すこともあります。大事なのは、介護事業の変化に対応できる柔軟な構造になっているかどうかです。

ホームページは、作ることが目的ではありません。事業の変化に合わせて、伝える力を維持し続けることが目的です。その視点で見直すことで、はじめて意味のあるリニューアルになるはずです。

私たちウェルコネクトでは介護事業特化のホームページ制作を行ってきた経験から、みなさまからの無料相談にも対応しています。LINE公式アカウントからご相談いただくことも可能です。

ぜひ気軽にご相談ください。

介護福祉のウェブ制作ウェルコネクト

編集:
介護福祉ウェブ制作ウェルコネクト編集部(主任介護支援専門員)

ケアマネジャーや地域包括支援センターなど相談業務に携わった経験や多職種連携スキルをもとに、介護福祉専門のウェブ制作ウェルコネクトを設立。情報発信と介護事業者に特化したウェブ制作サービスとAIを活用した業務改善提案を行う。

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