【2024年度改定後】ケアマネのオンラインモニタリングと担当件数・逓減制

スマートケアマネ2024。オンラインモニタリング一部解禁で進化するケアマネの進む道

2024年度改定後、居宅介護支援は要件を満たせば訪問を少なくとも2か月に1回とし、その間の月にオンラインでモニタリングできます。逓減制は原則45件以上、ケアプランデータ連携システムと事務職員配置の要件を満たす区分は50件以上から適用。提案段階の情報と現在のルールを分けて解説します。

【2026年10月時点:2024年度改定後の現行制度】

オンラインモニタリング:利用者の同意を得たうえで、サービス担当者会議等で主治医・担当者など関係者の合意が必要です。合意する内容は、①利用者の状態が安定している、②本人がテレビ電話装置等で意思疎通できる(家族の支援を含む)、③画面越しでは把握しにくい情報を他のサービス事業者との連携で補う、の3点です。居宅介護支援では少なくとも2か月に1回、介護予防支援では少なくとも6か月に1回の居宅訪問が必要です。毎回の訪問をなくす制度ではなく、要件を満たす場合に訪問しない月のモニタリングで機器を活用できます。

担当件数と逓減制:居宅介護支援費(Ⅰ)は45件以上、同(Ⅱ)はケアプランデータ連携システムの活用と事務職員の配置の両方を満たす場合に50件以上から、逓減制の区分が適用されます。60件以上にはさらに別の区分があります。45件・50件は一律の担当上限ではありません。取扱件数の算定では介護予防支援の利用者を3分の1で数える扱いもあるため、実際の算定は最新の告示・留意事項で確認してください。

以下の引用資料は、制度決定前の2023年11月時点の提案です。引用中の「してはどうか」は当時の文言であり、現在のルールは上記のとおりです。

ということで、本日のレジュメはこんな感じです。

  • オンラインモニタリング一部解禁でどうなるケアマネ業務
  • 担当件数と逓減制はどう変わったか。ケアプランデータ連携システムで業務は改善するのか
  • 最新調査の収支差率をどう見るか

オンラインモニタリング一部解禁でどうなるケアマネ業務

コロナ禍には、感染拡大防止のため、一定の条件下で訪問によるモニタリングを電話等で代替できる特例が設けられました。その特例は終了し、2024年4月からは、感染症対応の特例とは別に、一定の要件を満たす場合にテレビ電話装置等を使える制度が始まっています。

現行制度では、毎月のモニタリング自体は必要ですが、居宅介護支援で毎月必ず訪問するのではなく、少なくとも2か月に1回の居宅訪問を確保し、要件を満たす場合は訪問しない月にテレビ電話装置等を活用できます。

2024年度介護報酬改定で、一定の要件のもとオンラインモニタリングが制度化されました。以下の引用は決定前に示された提案ですが、最終的な制度にも訪問頻度や合意要件の考え方が反映されています。

利用者の状態によっては、テレビ電話装置等を活用しつつ、サービス事業所と連携することで、訪問による場合と同水準のモニタリングができたとの結果を踏まえ、引き続き、少なくとも月1回(介護予防支援の場合は3月に1回)の訪問によるモニタリングを原則としつつ、人材の有効活用及びサービス事業所との連携促進によるケアマネジメントの質の向上の観点から、一定の要件を設けた上で、テレビ電話装置等を活用したモニタリングを行うことも可能としてはどうか。具体的には以下の要件を設けてはどうか。

① 利用者の同意を得ること
② サービス担当者会議等において、主治医、サービス事業者等から以下の合意が得られていること
・利用者の状態が安定していること(主治医の所見等も踏まえ、頻繁なプラン変更が想定されない等)
・利用者がテレビ電話装置等を介して意思表示できること(家族のサポートがある場合も含む)
・テレビ電話装置等を活用したモニタリングでは収集できない情報については、他のサービス事業者と
の連携により情報を収集すること(※)
③ 少なくとも2月に1回(介護予防支援の場合は6月に1回)は利用者の居宅を訪問すること

令和5年11月6日 社会保障審議会介護給付費分科会資料

テレビ電話装置等とは、映像と音声を通じて本人の状態や意思疎通を確認できる情報通信機器を指します。LINEやZoomなど身近なビデオ通話ツールが候補になる場合はありますが、特定のアプリを使えば自動的に要件を満たすわけではありません。本人の状態、必要な情報を把握できるか、個人情報の取扱いなどを事業所で確認して運用する必要があります。

本人が機器を通じて意思疎通できることが要件の一つで、家族の支援を受ける場合も想定されています。画面越しでは得られない情報は、他のサービス事業者との連携で補うことが必要です。本人や家族に目的と方法を説明し、同意を得て無理のない形で実施することが前提になります。

正直、オンラインモニタリング解禁はケアマネの業務効率化だけでなく、利用者側のメリットも大きいと思います。なので、オンラインモニタリングを進めていくための鍵は、いかにオンラインでつながることによるメリットを利用者側に感じてもらうか、という点になるかと思います。

チャットツールなどオンラインでつながることで、データを通しての受け渡しができたり、電話以外の連絡手段が確保できます。災害時や緊急時の連絡手段として、電話が使えなかったとしても、別のツールでコミュニケーションができることは大きなメリットになるでしょう。

ケアマネの訪問時に、紙媒体で情報を受け取るだけでなく、より早く画像や動画などの情報を受け取ることができます。

こうした利点を説明することは大切ですが、利用者の同意と状態・意思疎通の確認、関係者の合意が必要です。オンライン化を一律に勧めるのではなく、本人にとって適切な方法かを個別に判断します。

訪問に限らず、本人の状態に合った方法で必要な情報を把握できる体制を整えることは重要です。2024年4月からオンラインモニタリングは恒久的な制度になりましたが、自由に訪問を省けるわけではありません。居宅介護支援では少なくとも2か月に1回の訪問を続け、その他の要件も満たして実施します。

士業の働き方も大きく変わっているので、ケアマネの働き方も改善していかないといけないですし、人口過疎地や島しょなどの遠隔地のケアマネジメントの可能性を広げるためにも、オンラインモニタリングは今後もルールを緩和していく必要がありますよね。

担当件数と逓減制の見直し

2023年11月の改定案では、担当件数と逓減制の見直しも示されました。引用部分は当時の提案で、現在の決定内容は引用後に整理します。

ここで変わったのは、担当できる人数の一律上限ではなく、居宅介護支援費の逓減制が始まる取扱件数の基準です。2024年4月から、居宅介護支援費(Ⅰ)は従来の40件から45件へ、同(Ⅱ)は従来の45件から50件へ見直されました。同(Ⅱ)を算定するには、ケアプランデータ連携システムの活用と事務職員の配置の両方が必要です。

■ 居宅介護支援事業所を取り巻く環境の変化や逓減制の見直しによるケアマネジメントへの影響に関する調査結果を踏まえ、現行、40件から逓減制が適用される居宅介護支援費(Ⅰ)について、45件から適用することとしてはどうか。
■ また、ケアプランデータ連携システムの活用により、請求業務やケアプランの共有に係るサービス事業者との情報連携が大幅に効率化されることが期待されることから、事務職員の配置に加えてケアプランデータ連携システムの活用による業務効率化を図っている場合においては、逓減制の適用を更に緩和し、50件からとしてはどうか(居宅介護支援費(Ⅱ))。

令和5年11月6日 社会保障審議会介護給付費分科会資料

50件は「それ以上担当できない」という上限ではなく、居宅介護支援費(Ⅱ)で逓減制の区分が切り替わる件数です。45件・50件を超えた場合も、件数の超過部分に該当する報酬区分が適用されます。60件以上にはさらに別の区分があり、担当件数の算定方法にもルールがあります。したがって、単純に「49件が上限」と説明するのは正確ではありません。

逓減制の基準が変わっても、担当件数を増やせば業務負担が自動的に解消するわけではありません。利用者の状態や支援の複雑さ、地域の連携体制を踏まえ、ケアマネジメントの質を保てる担当体制を判断する必要があります。

担当件数の数字だけを目標にするのではなく、オンラインモニタリングや情報連携を適切に活用し、本人に必要な支援を維持しながら無理のない業務体制をつくることが課題です。制度上の逓減基準と、事業所が実際に担える件数は分けて考える必要があります。

そもそも、

また、ケアプランデータ連携システムの活用により、請求業務やケアプランの共有に係るサービス事業者との情報連携が大幅に効率化されることが期待されることから

令和5年11月6日 社会保障審議会介護給付費分科会資料

制度案の根拠となった資料を読みながら、当時の導入状況に疑問を持ちました。次の図は、その問題意識を示すために記事作成時に掲載したものです。

図に掲載された秋田県38事業所、島根県28事業所、佐賀県33事業所などの数値は、当時の集計に基づくものです。参加事業所が限られた段階では、連携システムによる効率化を現場が実感しにくいという問題提起でした。ただし、これらの数値だけで現在の利用状況や制度の効果を判断することはできません。

ケアプランデータ連携システムには、導入だけでなく、連携先の事業所が参加しているか、実際の請求・計画共有の手順が定着しているかが重要です。制度上の要件になったことと、現場の業務負担が実際に減ることは別の課題として見ていく必要があります。導入状況についての当時の問題提起は、次の記事でも取り上げています。

あと、ものすごい気になるのは「ケアマネジャー1人当たりの取扱件数」というけれど、利用者はモノじゃねえよ。利用者だけを扱うんじゃなくて、その家庭や関わる人たちや関連事業所も含めて担当ケースですよ。もう一回言いますよ、利用者さんはモノじゃねえよ。

居宅介護支援の収支差率を最新調査から読む

介護事業所の経営状況を比べるときに使われる「収支差率」は、事業所の収入と費用の差を割合で示した調査上の指標です。平均値だけで、個々の事業所の経営や職員の処遇を判断することはできません。

【最新の公表値:令和7年度介護事業経営概況調査】

厚生労働省の令和7年度調査では、居宅介護支援の収支差率は令和5年度決算の5.9%から、令和6年度決算では3.8%となっています。前回調査の「改善」だけを現在の状況として示すのは適切ではありません。なお、これは調査に回答した事業所の平均値であり、各事業所の実態やケアマネ個人の賃金・処遇を直接表す数字ではありません。

調査結果は、回答事業所の構成や収支項目の定義を踏まえて読む必要があります。平均値の上下だけから、居宅介護支援事業所全体が「儲かっている」または「処遇改善が不要」と結論づけることはできません。

厚生労働省「令和7年度介護事業実態調査(介護事業経営概況調査)」結果

この記事の元になった2023年の議論では、当時公表された実態調査の有効回答数や収支差率を取り上げ、回答数が限られることへの懸念を述べました。その問題提起は当時の調査に対するものです。現在は後続調査が公表されているため、当時の「781件」という回答数や数値を最新の根拠として扱わず、最新資料と調査条件を確認する必要があります。

まとめ

いろいろ文句を言わせてもらいましたが、ケアマネの働き方もアップデートしていかなければいけない、という現実的な問題は、厚生労働省を含め多くの関係者が認識しているのだと思います。このままじゃ介護保険制度自体を保つことができなくなるという危機感をひしひし感じます。これまでもケアマネ不足やケアマネ高齢化問題についてはこのブログを通してお伝えしている通りですので、お時間がある方はご覧ください。

まずは書類の削減・運営基準の緩和・ローカルルールの撤廃を進めてもらいたいですね。

いずれにしても、ケアマネの業務にICT活用は待ったなし。ケアマネも新しいケアマネ像にシフトしていくことが必要です。

当然のようですが、サービス事業所もICTツールの活用を進めることが重要ですね。どの場面でどのツールを使うのかという選択が適切にできれば、ICTへの大きな投資をしなくてもケアマネからの信頼を勝ち得ることはできます。営業にはメールを使うか、実際会って話をするか、それともチャットか。メールをするにしても、テキストだけで伝えるか、動画で伝えるか、自社サイトへのリンクで伝えるか。いろんな手段があると思います。ウェブサイトは情報発信・コミュニケーションのための重要なツールです。

ウェブサイトを作りたい、リニューアルしたいという方はぜひケアマネの気持ちがわかる主任ケアマネ有資格デザイナーがウェブサイトを作るウェルコネクトが相談承ります(宣伝かよ)。

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