[延期決定]【訪問通所複合型サービス】制度改定で誕生する2024年新サービス、ホームページ制作5つのポイント!

訪問通所複合型サービス2024のホームページ制作のポイント

この記事は2024年介護保険制度改正で創設される予定だった訪問介護と通所介護を合体した新複合型サービスについて言及していますが、2023年12月4日の社会保障審議会において、突如導入見送りが決定しています。2024年の導入は見送られましたが、継続審議となったため、2027年改定時には再度議論されることと思われます。
ただ、多くの介護事業者様にとって新規事業の利用者獲得やスタッフ採用は大きな課題でもあり、共通する部分もありますので、参考にご覧ください。

ご存じの方も多いかと思いますが、2024年の介護保険制度改正で新しいサービス種別が誕生します。介護保険で新しいサービス種別が誕生するのは2012年の複合型サービス(現在の看護小規模多機能:通称カンタキ)以来のこと。12年ぶりに誕生する新サービスです。

訪問介護と通所介護(デイサービス)をミックスした複合型の事業所が新たに誕生します。まだ正式名称も決まっていませんが、ここでは便宜上、複合型訪問通所と呼ぶことにします。

複合型訪問通所サービスについて、現時点でわかっている情報について紹介しつつ、この事業に参入する事業者は、どのようなホームページ戦略をとるべきなのか、重要なポイント5つを解説します。

複合型訪問通所サービス2024の概要

まずは複合型訪問通所サービスについて解説します。

誤解を恐れずかいつまんで説明すると、「小規模多機能のお泊まりなし」よりも「訪問サービスが提供できるデイサービス」というイメージが近いと思います。

複合型サービス案(厚生労働省資料)

新サービスと小規模多機能との比較

デイサービスと小規模多機能、そして今後誕生する複合型訪問通所新サービスを比較しましょう。

通所介護小規模多機能複合型訪問通所
提供可能なサービス通所訪問・通所・宿泊・相談訪問・通所
ケアマネなし
(ケアマネは外部)
配置必須なし
(ケアマネは外部)
介護報酬出来高払い
(回数・時間による)
包括払い
(月額固定)
包括払い
(月額固定)
指定権者都道府県
(小規模は市町村)
市町村
(地域密着型)
市町村
(地域密着型)
3サービスの比較表

小規模多機能と複合型訪問通所新サービスの最も大きな違いは、ケアマネがいるかいないかの違いです。

ケアマネジャーと面談する様子

小規模多機能の利用促進が遅れている最大の要因と言われていたのが、ケアマネを変更しなければいけないという問題でした。小規模多機能に変更すると、居宅介護支援事業所ではなく小規模多機能のケアマネがケアマネジメントを行うことになるため、利用者・家族の抵抗感が大きく、移行が進まないとされていました。居宅介護支援事業所のケアマネも、小規模多機能にあえて変更するという選択肢は利用者を手放すことになるため、選択の優先順位としては低いものになりやすいという側面もありました。

今回誕生する新サービスでは、ケアマネは事業所内におらず、従来通り居宅介護支援事業所のケアマネがケアマネジメントを継続する枠組みとなります。事業所移行の抵抗感が少なくなります。

複合型訪問通所の新サービスはなぜ生まれたか?2つの理由

似たようなサービスがすでにあるのに、なぜこのようなサービスが誕生するのか。その理由は2つあります。

訪問サービスの介護人材不足を補うため

問題のひとつは介護人材不足にあります。特に訪問介護の人材不足が深刻化しています。

訪問介護サービスイメージ

訪問介護事業所で働くホームヘルパーの人材確保は困難を極め、都内では有効求人倍率は15倍ともいわれています。訪問介護では介護報酬の基本単価が引き下げられ、待遇を改善することも至難の業。さらには、ヘルパーに対するカスタマーハラスメント問題や、収入の不安定さ、そして勤務するためには初任者研修以上の資格取得が必要ということもハードルとなっています。

このような状況から訪問介護の人材はますます不足し、訪問介護の需要はあっても提供できるサービス事業所がないという状況に陥っています。

以下に掲載するのは訪問介護員の人手不足について社会保障審議会介護給付費分科会で示された資料です。サービス職員の有効求人倍率は施設介護員が3.90なのに対し、訪問介護職は14.92。

介護職員の職種別の人手不足感は、施設やデイサービスなどの介護職員69.7%に対して、訪問介護員は81.2%と訪問介護分野では人手不足が特に深刻な状況だということがわかります。

訪問介護員の人手不足の現状、有効求人倍率14.92、人手不足の事業所が81.2%のグラフ。

この人手不足を解消するための手段として、デイサービスの職員でも訪問サービスも提供できるようにしようというアイデアが生まれました。特に人手不足の進んでいる過疎地域などではこのような柔軟なサービスが有効になると見られています。

コロナ禍でのデイサービスの訪問対応

もうひとつ。新型コロナウイルスの感染者や濃厚接触者が発症したデイサービスはデイサービスではなく訪問でサービス提供することができるという臨時ルールが生まれました。

あくまで臨時的な対応でしたが、このような実績の積み重ねから、デイサービスの職員が訪問対応することが限りある介護職員の有効活用として考えられた側面もあります。

もちろん、訪問サービスの専門性とデイサービスの専門性は全く異なるものですが、そうはいっても介護人材が増える見込みはないので、質うんぬんではなく、背に腹は代えられないというのが実際のところでしょう。

ホームページ制作におけるポイントは?

いま、訪問通所複合型参入のためにホームページリニューアルや新規サイト制作を考えている事業者もいると思います。

ホームページ制作にあたって、どんなポイントに注意すべきか。利用者獲得と職員採用の両面から、合わせて5つのポイントを紹介します。

集客・利用者獲得目的でのポイント3つ

利用者獲得というと、やはりケアマネへの営業がメインになってくると思います。要介護のみのサービスになるようなので、直接包括からの紹介パターンはなく、ケアマネからの依頼パターンが多くなることが想像できます。キーとなるのはケアマネにいかに関心や興味を持ってもらうかという点になりそうです。そのためのホームページ施策を3つ紹介します。

サービスの仕組みについてのQ&A

ケアマネジャーのイメージ

まず、あまりサービスの仕組みがよく知られていません。いかに相手が制度に精通しているケアマネだからといって、完璧な情報収集ができるわけではありません。そこで、サービス利用に関する疑問をあらかじめ解消することで、よりスムーズに利用につなげることができます。

一般的にQ&Aと呼ばれるコンテンツ(FAQ)を作成しましょう。こんな状況で利用できるか、このようなサービスは対象になるかなどを落とし込んだ、具体的なQ&A・よくある質問ページを作成することをお勧めします。疑問をある程度解消した上で利用相談を受けることができます。特に、ケアマネ担当はそのままで利用ができることはまず最初に説明し、事業所間の連絡、包括報酬の中で臨時的な増回数などの対応など、具体的な内容に落とし込んでいくといいでしょう。

単位数・料金表

ケアマネがそのまま継続するということで気になるのが介護報酬の部分です。固定報酬でどのくらいの単位数が発生するのか。福祉用具や訪問看護のサービスを継続しながら利用できるのかなど、ケアマネとしては重要な情報となります。特に区分支給限度に含まれる加算・単位はすぐにわかるようにしておくといいでしょう。

事例パターン

サービススタート前に事例はないかもしれませんが、想定できる事例パターンをあらかじめ提案しておくといいでしょう。要介護度、認知症の状態、同居家族の有無などの情報を提示し、どのようなパターンのサービス提供ができるかを紹介します。ケアマネは、自分の担当利用者の中から、それに近い利用者を想起することができますので、ターゲットに近い利用者を獲得しやすくなります。数パターンシミュレーションして提案しておくことがいいでしょう。


以上、これらの情報はホームページだけでなく、パンフレットなど紙媒体で紹介することも有効です。ただ、紙媒体だと紙面サイズの制限がありますので、伝えたい情報をすべて掲載することは困難です。ホームページであれば、3ページ追加するだけで、必要な情報を残さず伝えることができます。

また、対ケアマネだけでなく、対家族・対利用者にも当然有用な情報となりますので、それも意識したコンテンツ作りをしていきましょう。

職員採用のためのポイント2つ

では職員採用のポイントを紹介します。

訪問通所複合型のメリットを伝える

シンプルにこの複合型訪問通所新サービスで働くとどんなメリットがあるかを伝えるといいでしょう。訪問通所複合型サービスで働くメリットを挙げるとしたら、以下のようなものがあります。

  • 訪問と通所両方のサービスを提供する幅広いスキルを身に付けることができる。
  • 訪問サービス特有の利用者キャンセルなどの空き時間には通所で勤務できる。訪問サービスをしながら時間をフルに効率的に稼げる
  • 無資格者は通所で働きながら初任者研修の資格を取得できる。取得後は訪問の仕事もできるようになる。
  • デイサービスにいるときと自宅にいるとき。どちらの様子も見ることができ、生活全般を見て状態を理解することができる。
  • 小規模多機能と違って夜勤がない

このような内容で新サービスで働くメリットを伝えていくといいでしょう。メリットを伝えるだけでなく、その反面デメリットもあることを記載しておくこともおすすめします。これは採用した職員の早期離職を防ぐためにも重要です。

例えば、

  • 通所もしくは訪問の専門性を極めたい方には不向き、
  • 夜勤がないのでたくさん稼ぎたい人には不向き、

などをきちんと伝えておくと「こんなはずじゃなかった」という早期離職は少なくなります。

一日の働き方のイメージ

実際、未知のサービスなので、どう働くの?という疑問を持つ方も多いでしょう。一日の働き方をタイムスケジュールで簡単に紹介できるといいでしょう。

デイサービスでの仕事が中心になると思いますが、どんなタイミングで訪問に行き、どんなサービスを提供するのかがわかるといいですね。

まとめ

新サービス訪問通所複合型のホームページ制作に関するポイントを紹介しました。

まだまだ未確定な部分も多いのですが、報酬単価やQ&Aも含めて、すべての情報が出そろうのは制度がスタートギリギリになります。ホームページ制作にも準備を含めて時間がかかります。もう参入を決めている事業者様は前倒しで準備していくといいでしょう

介護福祉分野に詳しくない制作業者に依頼すると、そもそもどんなサービス事業なのか説明するのに時間も労力もかかり、イメージを伝えることも難しいと思います。その負担を少なくしたいと思ったら、まずはウェルコネクトにどうぞ気軽にご相談を

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

eleven + 5 =