最低賃金改定後、介護事業所の求人情報は見直していますか?採用ページの確認ポイント

求人情報を最新に、最低賃金更新
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最低賃金が改定された今、介護事業所のホームページに掲載している求人情報は、早めに見直す必要があります。

給与計算上は対応していても、ホームページの採用ページ、ハローワーク求人、求人媒体、Indeed、SNS投稿、過去の求人チラシなどに古い時給や給与表記が残っているケースは少なくありません。求職者は複数の情報を見比べながら応募先を選んでいます。そこに古い情報や分かりにくい条件が残っていると、「この事業所は情報管理が十分ではないのでは」と受け止められてしまう可能性があります。

令和8年度の地域別最低賃金は、全国加重平均で1,177円となり、前年度から56円引き上げられました。厚生労働省は、令和8年度の地域別最低賃金額と発効日を都道府県別に公表しています。最低賃金は都道府県ごとに金額と発効日が異なるため、介護事業所では所在地ごとの確認が欠かせません。

介護業界では、採用難が続いています。だからこそ、最低賃金改定は単なる給与額の修正ではなく、採用ページ全体を整える機会として捉えるべきです。この記事では、介護事業所がホームページの求人情報を見直す際に確認したいポイントを解説します。

最低賃金改定後は、ホームページの求人情報をすぐに確認する

3ステップで見直し

最低賃金改定後にまず確認すべきなのは、ホームページ上の求人情報が現在の賃金水準に合っているかどうかです。

主要都道府県の最低賃金を見ても、都市部を中心に1,100円台後半から1,200円台へと水準が上がっています。特に東京都、神奈川県、大阪府、愛知県など、介護人材の採用競争が激しい地域では、最低賃金の改定が求人条件の見直しに直結します。

また、最低賃金の発効日は都道府県によって異なります。ホームページの求人情報を更新する際には、事業所所在地の最低賃金額だけでなく、発効日も確認しておく必要があります。

地域改定後の最低賃金改定前の最低賃金引上げ額引上げ率発効日
全国加重平均1,177円1,121円56円5.0%-
北海道1,131円1,075円56円5.2%令和8年10月1日
宮城県1,098円1,038円60円5.8%令和8年10月1日
埼玉県1,196円1,141円55円4.8%令和8年10月1日
千葉県1,195円1,140円55円4.8%令和8年10月1日
東京都1,280円1,226円54円4.4%令和8年10月1日
神奈川県1,279円1,225円54円4.4%令和8年10月1日
静岡県1,154円1,097円57円5.2%令和8年10月15日
愛知県1,195円1,140円55円4.8%令和8年10月1日
京都府1,180円1,122円58円5.2%令和8年11月16日
大阪府1,231円1,177円54円4.6%令和8年10月1日
兵庫県1,172円1,116円56円5.0%令和8年10月1日
広島県1,141円1,085円56円5.2%令和8年10月11日
福岡県1,114円1,057円57円5.4%令和8年10月4日
熊本県1,092円1,034円58円5.6%令和8年12月1日
沖縄県1,086円1,023円63円6.2%令和8年12月2日

特に注意したいのは、パート職員、登録ヘルパー、夜勤専従職員、送迎ドライバー、事務職など、時給表記のある職種です。「時給1,100円〜」「給与は経験により応相談」「各種手当あり」といった表記が残っている場合、改定後の最低賃金を下回っていないか、また求職者に誤解を与えない内容になっているかを確認する必要があります。

月給制の職員についても確認が必要です。月給制であっても、所定労働時間から時間単価に換算した際に最低賃金を下回ってはいけません。基本給を低めに設定し、資格手当や処遇改善手当などを組み合わせて総支給額を設計している事業所では、計算方法を改めて確認しておくことが大切です。

ホームページの求人情報は、事業所の採用姿勢を映す場所です。情報が古いままになっていると、実際には適切に賃金改定を行っていても、その対応が求職者に伝わりません。

介護事業所の求人情報で見直すべき給与・手当の表記

賃金や待遇を具体的に伝える

介護事業所の求人情報では、時給や月給だけでなく、手当や処遇改善に関する表記も分かりやすく整えることが重要です。

介護職の給与は、基本給や時給に加えて、資格手当、夜勤手当、処遇改善手当、移動手当、送迎手当、土日祝手当など、複数の項目で構成されることがあります。そのため、単に「手当あり」と書くだけでは、求職者には実際の収入イメージが伝わりにくくなります。

たとえば、次のような表記は見直しを検討したいところです。

見直し前の表記見直し後の考え方
時給1,100円〜改定後の最低賃金を踏まえた最新の時給に修正する
各種手当あり資格手当、夜勤手当、処遇改善手当などを具体的に記載する
処遇改善加算あり支給方法や対象職種が分かる範囲で説明する
給与は経験により応相談下限額を明記し、求職者が判断できる情報を示す
夜勤手当別途支給1回あたりの金額、回数例、月収例を記載する

もちろん、すべての金額を細かく書けない場合もあります。しかし、求職者が知りたいのは「応募したら自分はどのくらいの収入になりそうか」という具体的な見通しです。給与幅がある場合でも、モデル月収や勤務例を掲載することで、応募前の不安を減らすことができます。

最低賃金を満たすだけでは、介護職採用では選ばれにくい

最低賃金を満たしていることは、あくまで法令上の最低ラインです。採用につなげるには、給与以外の働きやすさもホームページで伝える必要があります。

介護職の求職者は、同じ地域にある複数の事業所を比較しています。時給が大きく変わらない場合、次に見られるのは、勤務時間の柔軟性、職場の雰囲気、教育体制、ICT活用、管理者との距離感、急な休みへの対応などです。

たとえば、訪問介護事業所であれば、次のような情報があるだけで印象は変わります。

掲載したい情報求職者に伝わること
週1日・1時間から相談可家庭や副業と両立しやすい
初回訪問はサービス提供責任者が同行未経験者やブランクのある人も安心できる
スマートフォンで記録紙記録や事務作業の負担が少ない
直行直帰可移動や時間の負担を抑えられる
見学・カジュアル面談可応募前に雰囲気を確認できる

求職者は、条件だけでなく「ここで働く自分」を想像しながら応募先を選びます。だからこそ、採用ページでは給与額の正確さに加えて、働き方の実態を具体的に伝えることが大切です。

ホームページ採用ページと求人媒体の内容を統一する

求人情報は、すべての掲載先で統一されている?

ホームページ、ハローワーク、求人媒体、SNSで求人情報が一致していないと、求職者の不信感につながります。

採用ページでは新しい時給に更新しているのに、ハローワーク求人には古い給与が残っている。求人媒体では勤務時間が違っている。過去のブログ記事やPDFチラシに古い募集要項が掲載されたままになっている。こうした状態は、求職者を迷わせます。

特に注意したいのは、画像やPDFに記載した求人情報です。ホームページ本文は修正していても、画像バナー、チラシPDF、Instagram投稿用画像、過去の採用ブログに古い時給が残っていることがあります。

確認すべき場所は、採用ページだけではありません。

確認場所見直しポイント
ホームページの採用情報ページ最新の給与・勤務条件になっているか
トップページの求人バナー古い時給や募集職種が残っていないか
サービス紹介ページ下部の求人案内採用ページと内容が一致しているか
ブログ記事内の求人告知過去記事に古い条件が残っていないか
PDFの募集要項差し替え忘れがないか
画像チラシ・SNS投稿古い給与表記が拡散されていないか
Googleビジネスプロフィール求人関連の投稿やリンクが適切か
ハローワーク・求人媒体ホームページと条件が一致しているか

求人情報は、ひとつのページだけを直せば終わりではありません。求職者がどこから情報に触れても、同じ内容にたどり着ける状態をつくることが重要です。

求人情報は「正確で最新」であることが求められる

求人情報は、分かりやすさだけでなく、正確性と最新性も求められます。

厚生労働省は、求人等に関する情報について、虚偽の表示や誤解を生じさせる表示をしてはならず、正確かつ最新の内容に保つ必要があると示しています。ハローワークインターネットサービスでも、求人者は業務内容、賃金、労働時間その他の労働条件を明示し、募集情報を正確かつ最新の内容に保つ必要があると説明されています。

介護事業所の求人では、「実際には支給条件がある手当を、誰でも受け取れるように見える形で書いている」「夜勤回数を多く見積もった月収例だけを強調している」「勤務時間や休日が実態とずれている」といった表記にも注意が必要です。

求職者にとって、求人情報は入職を判断するための重要な材料です。採用を急ぐあまり、良く見せる表現ばかりを増やしてしまうと、入職後のミスマッチや早期離職につながる可能性があります。結果として、採用コストも現場の負担も大きくなります。

正確な情報を出すことは、応募数を減らすためではありません。事業所に合う人材と出会うための前提です。

令和6年4月からの労働条件明示ルールも確認する

求人情報を見直す際には、最低賃金だけでなく、労働条件明示のルールも合わせて確認しておく必要があります。

令和6年4月1日から、労働者の募集を行う場合などに明示すべき労働条件として、従事すべき業務の変更の範囲、就業場所の変更の範囲、有期労働契約を更新する場合の基準などが追加されています。

介護事業所では、就業場所や業務内容が変わる可能性があります。たとえば、同一法人内で複数の事業所を運営している場合、デイサービス、訪問介護、グループホーム、小規模多機能型居宅介護などの間で配置転換があるかもしれません。訪問介護であれば、訪問エリア、直行直帰の有無、事務所への出勤頻度なども求職者にとって重要です。

有期契約のパート職員を募集する場合には、契約更新の有無や更新基準も分かりやすく示す必要があります。求人情報の段階で十分に伝えておくことで、「入職後に聞いていた内容と違った」というトラブルを防ぎやすくなります。

介護事業所の採用ページには「働くイメージ」を載せる

採用ページには働くイメージを

採用ページで応募につなげるには、募集要項だけでなく、実際に働くイメージが伝わる情報を掲載することが大切です。

求職者は、給与額だけを見て応募を決めているわけではありません。むしろ介護職の場合、「人間関係はどうか」「未経験でも教えてもらえるか」「記録や事務作業の負担はどれくらいか」「管理者に相談しやすいか」といった不安を抱えながら求人を見ています。

その不安に応えるためには、次のような内容を採用ページに入れておくと効果的です。

掲載項目内容の例
仕事内容1日の流れ、主な業務、記録方法
給与・手当時給、月給、手当、モデル月収
勤務時間シフト例、短時間勤務、休憩時間
教育体制同行研修、OJT、資格取得支援
職場環境職員構成、相談体制、管理者の考え方
ICT活用介護記録ソフト、スマートフォン記録、情報共有方法
応募前の導線見学、カジュアル面談、問い合わせフォーム

採用ページは、求人票のコピーではありません。事業所の考え方や職場の空気を伝える場所です。給与条件を正確に掲載したうえで、「この事業所なら安心して働けそうだ」と感じてもらえる情報を重ねていくことが重要です。

最低賃金改定をきっかけに、採用ページの更新日を入れる

求人情報には、更新日を入れることをおすすめします。

「2026年10月更新」「令和8年10月現在」などの表記があるだけで、求職者はその情報が現在も有効だと判断しやすくなります。反対に、更新日が分からない求人ページは、たとえ内容が正しくても、「今も募集しているのだろうか」と不安を持たれやすくなります。

介護事業所のホームページでは、採用ページが数年間更新されていないこともあります。事業所側としては「条件が大きく変わっていないから問題ない」と考えていても、求職者にはそう見えません。

  • 今も募集しているのか。
  • この給与は現在のものなのか。
  • 問い合わせをしても返信があるのか。
  • 採用に前向きな事業所なのか。

こうした疑問を持たれないように、求人情報には更新日や募集状況を明記しておきましょう。「現在募集中」「見学のみ受付中」「募集停止中の職種」などを整理して表示することで、求職者は次の行動を起こしやすくなります。

介護事業所の求人情報見直しチェックリスト

最低賃金改定後の求人情報は、給与、手当、勤務条件、掲載場所の4つの視点で確認すると漏れを防ぎやすくなります。

以下の項目をチェックしながら、ホームページと求人媒体の情報を見直してみてください。

確認項目チェック内容
最低賃金所在地の都道府県の最低賃金を確認しているか
時給表記パート、登録ヘルパー、夜勤専従などの時給が最新か
月給表記時間単価に換算して最低賃金を下回っていないか
手当資格手当、夜勤手当、処遇改善手当の内容が分かるか
月収例実態とかけ離れたモデルになっていないか
勤務時間シフト例、休憩時間、残業の有無が分かるか
就業場所事業所名、所在地、訪問エリアが明確か
業務内容実際の仕事内容とずれていないか
変更の範囲就業場所や業務内容の変更可能性を整理しているか
契約更新有期契約の場合、更新基準が分かるか
掲載場所ホームページ、PDF、画像、SNS、求人媒体を確認したか
更新日求人情報がいつ時点の内容か分かるか

すべてを一度に直すのが難しい場合は、まず給与に関する表記から確認し、次に勤務条件、最後に採用ページ全体の導線を見直すと進めやすくなります。

最新ニュースを知ることも、介護事業所の採用力につながる

制度改正や最低賃金の変更に早く気づけることは、介護事業所の採用力を守るうえで大きな意味があります。

介護事業所の管理者やバックオフィス担当者は、日々の請求業務、人員配置、家族対応、行政対応、職員面談など、多くの業務を抱えています。そのなかで、最低賃金、介護報酬改定、処遇改善、ICT導入、採用広報、ホームページ運用に関する情報を常に追い続けるのは簡単ではありません。

しかし、情報の確認が遅れると、ホームページの更新も後回しになりがちです。求人情報の見直しが遅れれば、採用機会を逃すことにもつながります。

ウェルコネクトでは、月に1回、介護事業所向けのメールマガジンを発行しています。介護業界の制度動向や、ホームページ運用、採用ページ改善、ICT活用など、事業所運営に関わる最新ニュースを分かりやすくお届けしています。

日々の業務に追われるなかでも、必要な情報を無理なくキャッチできることは、事業所運営にとって大きな安心材料です。最新情報を知っているだけで、ホームページ更新や採用広報の初動は変わります。

まとめ:最低賃金改定は、介護事業所の採用ページを整えるタイミング

最低賃金改定は、給与表記を直すだけでなく、介護事業所の採用ページ全体を見直すタイミングです。

  • 古い時給が残っていないか。
  • 手当や処遇改善の説明は分かりやすいか。
  • ハローワークや求人媒体と内容が一致しているか。
  • 就業場所や業務内容の変更範囲は整理されているか。
  • 求職者が働くイメージを持てるページになっているか。

これらを確認することで、求職者にとって分かりやすく、事業所にとってもミスマッチの少ない採用情報に近づきます。

介護職の採用は、今後も簡単にはなりません。だからこそ、ホームページ上の求人情報を放置せず、現在の条件、職場の魅力、働き方の実態を丁寧に伝えることが重要です。

ウェルコネクトでは、介護事業所のホームページ制作、採用ページ改善、求人導線の見直しを支援しています。求人情報を更新したいけれど、どこから直せばよいか分からない。採用ページを作ったものの応募につながっていない。そうしたお悩みがあれば、介護業界に特化した視点で、事業所の魅力が伝わる情報設計をご提案します。

また、月1回のメールマガジンでは、介護事業所が押さえておきたい最新ニュースやホームページ運用のヒントをお届けしています。制度や採用環境の変化に早めに気づき、必要な対応を進めるために、ぜひご活用ください。

介護福祉のウェブ制作ウェルコネクト

編集:
介護福祉ウェブ制作ウェルコネクト
編集部(主任介護支援専門員)

ケアマネジャーや地域包括支援センターなど相談業務に携わった経験や多職種連携スキルをもとに、介護福祉専門のウェブ制作ウェルコネクトを設立。情報発信と介護事業者に特化したウェブ制作サービスとAIを活用した業務改善提案を行う。

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