障害者差別解消法施行でウェブサイトのあるべき姿はどう変わる?

【2026年10月時点の制度整理】

本稿は2016年の法施行時に書かれた記事です。その後、2024年4月1日に改正障害者差別解消法が施行され、民間事業者による「合理的配慮の提供」は努力義務から法的義務になりました。事業者は、障害のある人から社会的な障壁を取り除くための意思が示されたとき、本人との対話を通じて必要な対応を検討します。ただし、過重な負担となる場合には、理由を説明し、代替策を含めて建設的に対話することが求められます。

一方、ウェブアクセシビリティを含む事前の「環境の整備」は、同法では引き続き努力義務として位置づけられています。この改正によって、すべての民間ウェブサイトに特定の規格への準拠が一律に義務化されたわけではありません。サイトを使う際の個別の困難に対する合理的配慮と、誰もが使いやすいサイトにしていく環境整備を分けて考える必要があります。

出典:内閣府「障害者差別解消法が改正されました」/令和6年版障害者白書

改正障害者差別解消法により、2024年4月から民間事業者の合理的配慮の提供が義務化されました。一方、ウェブアクセシビリティなど事前の環境整備は努力義務のままで、全サイトへの特定規格の一律適合が義務になったわけではありません。記事では両者の違いとサイト運営者の対応を解説します。

合理的配慮は、障害者等の利用を想定して事前に行われる建築物のバリアフリー化、介助者等の人的支援、情報アクセシビリティの向上等の環境の整備(「第5」において後述)を基礎として、個々の障害者に対して、その状況に応じて個別に実施される措置である。

いかが第5(その他障害を理由とする差別の解消の推進に関する施策に関する重要事項)の 1環境整備

法は、不特定多数の障害者を主な対象として行われる事前的改善措置(いわゆるバリアフリー法に基づく公共施設や交通機関におけるバリアフリー化、意思表示やコミュニケーションを支援するためのサービス・介助者等の人的支援、障害者による円滑な情報の取得・利用・発信のための情報アクセシビリティの向上等)については、個別の場面において、個々の障害者に対して行われる合理的配慮を的確に行うための環境の整備として実施に努めることとしている。新しい技術開発が環境の整備に係る投資負担の軽減をもたらすこともあることから、技術進歩の動向を踏まえた取組が期待される。また、環境の整備には、ハード面のみならず、職員に対する研修等のソフト面の対応も含まれることが重要である。

障害者差別の解消のための取組は、このような環境の整備を行うための施策と連携しながら進められることが重要であり、ハード面でのバリアフリー化施策、情報の取得・利用・発信におけるアクセシビリティ向上のための施策、職員に対する研修等、環境の整備の施策を着実に進めることが必要である。

したがって、情報アクセシビリティに関する環境整備は重要ですが、同法上は、個々の障害者に対して行う合理的配慮の提供とは区別され、事前の環境整備については努力義務とされています。ウェブサイトの改善は、個別対応をより確実に行う土台にもなります。

これは民間企業や社会福祉法人、特定非営利法人にも求められています。

対象となる事業者は、商業その他の事業を行う者(地方公共団体の経営する企業及び公営企業型地方独立行政法人を含み、国、独立行政法人等、地方公共団体及び公営企業型以外の地方独立行政法人を除く。)であり、目的の営利・非営利、個人・法人の別を問わず、同種の行為を反復継続する意思をもって行う者である。したがって、例えば、個人事業者や対価を得ない無報酬の事業を行う者、非営利事業を行う社会福祉法人や特定非営利活動法人も対象となる。

事業者については、不当な差別的取扱いの禁止が法的義務とされる一方で、事業における障害者との関係が分野・業種・場面・状況によって様々であり、求められる配慮の内容・程度も多種多様であることから、合理的配慮の提供については、努力義務とされている。このため、各主務大臣は、所掌する分野における対応指針を作成し、事業者は、対応指針を参考として、取組を主体的に進めることが期待される。主務大臣においては、所掌する分野の特性を踏まえたきめ細かな対応を行うものとする。各事業者における取組については、障害者差別の禁止に係る具体的取組はもとより、相談窓口の整備、事業者の研修・啓発の機会の確保等も重要であり、対応指針の作成に当たっては、この旨を明記するものとする。

(2016年の法施行当時は、事業者による合理的配慮の提供も努力義務とされていました。)当時から、相談窓口の整備や研修・啓発、対応指針に沿った自主的な取組が期待されていました。2024年4月以降の現行制度については、冒頭の更新情報をご確認ください。

まずは今回施行された法律本文とQ&Aをご確認ください。

・障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針

・障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律についてのよくあるご質問と回答<国民向け>

当然ながら介護サービス事業者として取り組むべき大きな課題であることは言わずもがなです。

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