介護情報基盤の助成金が5月7日申請開始。介護事業所が確認すべき経費・上限額・準備

介護情報基盤助成金スタート

介護情報基盤の活用に向けた助成金申請が2026年5月7日から開始。カードリーダー購入費や接続サポート費、助成上限額、申請前に介護事業所が確認すべき実務ポイントをわかりやすく解説します。

以前の記事では、介護情報基盤ポータルの開設を受けて、介護情報基盤とは何か、ケアプランデータ連携システムと何が違うのか、介護事業所にどのような準備が必要になるのかを整理しました。

介護情報基盤ポータル案内

介護情報基盤は、介護保険証、負担割合証、要介護認定情報、主治医意見書、ケアプランなどをオンラインで扱うための新しい仕組みです。厚生労働省は2026年度から順次稼働し、2028年4月には全国での運用開始を目指すとしています。前回記事でも触れたように、これは単なる新しいポータルサイトではなく、介護事業所にとって今後の標準的な情報確認手段になっていく可能性が高いものです。

厚生労働省は2026年4月28日付の介護保険最新情報Vol.1497で、令和8年度における介護情報基盤活用のための助成金申請受付を、2026年5月7日から開始することを通知しました。申請受付期間は2026年5月7日から2027年3月12日までの予定で、2026年4月1日以降に実施された事業が助成対象になります。

今回は、この助成金について、介護事業所の管理者・事務担当者が実際に確認すべきポイントに絞って解説します。

今回の助成金は「介護情報基盤を使うための準備費用」を支援するもの

介護情報基盤活用のための支援 助成金概要

今回の助成金は、介護情報基盤そのものを理解するための補助ではなく、事業所が実際に介護情報基盤を利用できる環境を整えるための費用を支援するものです。

対象となるのは、主に次の2つです。

助成対象経費内容
カードリーダーの購入経費マイナンバーカード等を読み取るために必要な機器の購入費
介護情報基盤との接続サポート等経費介護保険資格確認等WEBサービスを利用するためのクライアント証明書の搭載、端末設定などに関する技術支援費

厚労省資料では、介護事業所等が介護保険資格確認等WEBサービスを利用する際に必要となるクライアント証明書の搭載など、端末設定に関する技術的支援を受ける場合の経費が助成対象とされています。また、導入支援事業者から介護情報基盤の接続サポートとケアプランデータ連携システムの接続サポートを一体的に受ける場合、その費用も助成対象になります。

カードリーダーを買えば終わり、という話ではありません。むしろ多くの事業所でつまずきやすいのは、端末設定、証明書の管理、どのパソコンで誰が使うのかという運用設計の部分です。今回の助成金は、その初期設定や接続支援まで対象に含めているため、単なる機器購入補助ではなく、介護DXの導入支援として見るべき制度です。

申請期間と対象期間

まず押さえておきたいのは、申請期間と対象期間です。

項目内容
申請開始2026年5月7日 木曜日
申請終了予定2027年3月12日 金曜日
対象となる事業2026年4月1日以降に実施された事業
申請方法介護情報基盤ポータル経由
補助実施国民健康保険中央会経由
注意点予算には限りがあり、早めの申請が呼びかけられている

申請は国民健康保険中央会の介護情報基盤ポータル経由で受け付けられます。厚労省の通知では、詳細は介護情報基盤ポータルを確認するよう案内されています。

申請期間だけを見ると、2027年3月まであるため余裕があるように見えます。しかし、別添資料では「予算には限りがありますので、ぜひ早めの申請をご検討ください」と案内されています。つまり、年度末まで待てば必ず申請できると考えるのではなく、必要な準備ができた事業所から順に申請していくべき制度と考えた方がよいでしょう。

介護情報基盤スケジュール

介護情報基盤導入、助成限度額はいくらか

介護事業所・介護サービス提供医療機関向けの助成限度額は、サービス種別によって異なります。

サービス種別カードリーダー助成限度台数助成限度額
訪問・通所・短期滞在系3台まで6.4万円まで
居住・入所系2台まで5.5万円まで
その他1台まで4.2万円まで

この助成限度額は、カードリーダーの購入経費と接続サポート等経費を合算した上限額です。消費税分も助成対象であり、表の金額は消費税分を含む費用額とされています。

たとえば、訪問介護事業所や通所介護事業所であれば、カードリーダーは3台まで、助成限度額は6.4万円までです。居住系・入所系の施設では2台まで、5.5万円まで。その他の事業所では1台まで、4.2万円までとなります。

また、同一事業所で複数のサービスを提供している場合には、介護サービス種別に応じた助成限度額の合計を助成限度額にできるとされています。

たとえば、同じ法人・同じ拠点で複数サービスを運営している場合、単純に「うちは1事業所だから1枠」と決めつけず、どのサービス種別で申請できるのか、事業所番号やサービス種別ごとの扱いを確認しておく必要があります。実際の申請では、介護情報基盤ポータルの案内に従うことになりますが、事前にサービス種別を整理しておくと申請作業がスムーズになります。

介護事業所が申請前に確認すべきこと

今回の助成金を実務として考えるなら、確認すべきことは「対象になるか」だけではありません。

重要なのは、助成金を使って何を整備するのか、誰が使うのか、どの業務に組み込むのかを事前に決めておくことです。

1. どのサービス種別で申請するのか

最初に確認したいのは、自事業所がどのサービス種別に該当するかです。

訪問・通所・短期滞在系なのか、居住・入所系なのか、それともその他に該当するのかによって、助成限度額とカードリーダーの助成限度台数が変わります。

複数サービスを運営している法人では、ここが少し複雑になります。訪問介護、通所介護、居宅介護支援、福祉用具貸与、有料老人ホームなどを同じ法人で運営している場合、サービスごとの申請単位や上限額の扱いを事前に確認しておきましょう。

制度を使ううえでは、経理担当者だけで判断するのではなく、管理者、請求担当者、現場責任者が一度情報を合わせておくことが大切です。

2. カードリーダーは何台必要か

助成金の上限台数があるからといって、必ず上限まで購入すればよいわけではありません。

考えるべきなのは、実際の運用です。

利用者の資格確認をどの場面で行うのか。事務室だけで使うのか。受付や相談室でも使うのか。施設系であればフロアごとに必要なのか。訪問系であれば、持ち出し利用を想定するのか。

もちろん、運用開始直後からすべての業務が介護情報基盤に置き換わるわけではありません。自治体ごとの対応状況にも差があります。しかし、最初に1台だけ導入して、実際には複数の職員が使いたい場面が重なると、結局確認作業が滞ります。

反対に、使う場面を考えずに複数台を購入しても、保管場所や管理責任が曖昧になり、使われない機器が増えるだけです。

カードリーダーの台数は、「助成されるから買う」のではなく、「どの業務で使うか」から逆算して決めるべきです。

3. どの端末で介護情報基盤を使うのか

カードリーダー以上に重要なのが、端末の選定です。

介護情報基盤を利用するには、介護保険資格確認等WEBサービスを使うための端末設定が必要になります。厚労省資料では、クライアント証明書の搭載などの端末設定に関する技術的支援が助成対象とされています。

つまり、どのパソコンに設定するのかを決めなければ、申請や導入支援の内容も決まりません。

事務室の請求用パソコンで使うのか。管理者用のパソコンで使うのか。相談員やケアマネジャーが使う端末にも設定するのか。タブレット利用を想定するのか。

ここを曖昧にしたまま導入すると、あとから「この端末では使えない」「証明書が入っているパソコンが1台しかない」「担当者が休みの日に確認できない」といった問題が起きます。

特に小規模事業所では、請求ソフト、記録ソフト、メール、オンライン研修、行政手続きなどを1台のパソコンで兼用しているケースも少なくありません。そこに介護情報基盤の利用環境を加えるなら、セキュリティ面も含めて一度端末環境を見直す機会になります。

4. 証明書の管理責任者を決める

介護情報基盤では、誰でも自由にアクセスできる状態にしてはいけません。

クライアント証明書を搭載した端末からアクセスする以上、その端末を誰が管理するのか、退職者が出た場合にどうするのか、パスワードや認証情報をどのように扱うのかを決めておく必要があります。

ここは、介護現場では後回しにされがちな部分です。

しかし、介護情報基盤で扱う情報は、利用者の介護保険情報や認定情報など、非常に重要な個人情報です。便利になる一方で、アクセス権限の管理が甘ければ、情報漏えいや不適切閲覧のリスクも高まります。

最低限、次のようなルールは事業所内で決めておきたいところです。

確認項目決めておきたい内容
管理責任者証明書・端末・カードリーダーを誰が管理するか
利用者どの職員が介護情報基盤を利用できるか
利用場面どの業務で確認するか
退職・異動時アクセス権限や端末利用をどう停止するか
記録方法いつ、誰が、何を確認したかをどう残すか

助成金は導入費用を支援してくれますが、導入後の運用ルールまでは事業所自身が作らなければいけません。

「申請すること」よりも「使える状態にすること」が大事

今回の助成金では、カードリーダー購入費と接続サポート費が対象になります。金額だけを見ると、事業所経営に大きなインパクトを与える補助金というより、初期導入のハードルを下げるための支援といえます。

ただし、意味は小さくありません。

介護情報基盤は、今後の介護保険事務、資格確認、医療・介護連携、ケアプラン共有の前提になっていく仕組みです。前回の記事でも書いたように、これは「使いたい事業所だけが使う便利ツール」ではなく、制度インフラとして整備されていくものです。

だからこそ、今回の助成金は「もらえるなら申請しておこう」ではなく、「今のうちに事業所の情報管理体制を整える機会」として捉えるべきです。

介護現場では、制度改正のたびに新しい対応が求められます。LIFE、科学的介護、処遇改善加算、BCP、虐待防止、身体拘束適正化、そして今後の介護情報基盤。どれも個別に見ると「また事務作業が増える」と感じられるかもしれません。

しかし、これらはすべて、情報をどう扱うかという課題につながっています。

紙で届いたものをコピーする。FAXで送る。電話で確認する。担当者の机の上にだけ最新情報がある。こうした運用は、これまでの介護現場では当たり前でした。しかし、人材不足が深刻化するなかで、そのやり方を続ける余裕はありますか?

介護情報基盤は、その流れを変えるための仕組みです。そして今回の助成金は、その入口に立つための支援策です。

カードリーダー選びのポイント

今回の助成金では、カードリーダーの購入経費も対象になります。そこで多くの介護事業所が最初に迷うのが、「どのカードリーダーを買えばいいのか」という点です。

カードリーダーには、大きく分けて非接触型と接触型があります。

非接触型は、カードをかざして読み取るタイプです。接触型は、カードを差し込んで読み取るタイプです。どちらが正解というより、事業所内で誰が、どこで、どのように使うかによって選び方が変わります。

ここでは、介護情報基盤での利用を想定しやすい具体的な商品例として、サンワサプライの2製品を取り上げます。サンワサプライは介護情報基盤向けのカードリーダーとして、非接触型のADR-MNICU3と接触型のADR-MNICU2を案内しており、マイナ資格確認アプリの利用に対応するとホームページ上で案内しています。

パソコン周辺機器では実績が豊富で有名なメーカーで信頼できる上、このような特設ページを設けているので導入への不安も軽減できます。

タイプ商品例特徴向いている事業所
非接触型サンワサプライ ADR-MNICU3カードをかざして読み取る受付・相談室などで利用者や家族に説明しながら使う事業所
接触型サンワサプライ ADR-MNICU2カードを差し込んで読み取る事務室内で職員が決まった端末で使う事業所

非接触型なら「サンワサプライ ADR-MNICU3」

まず検討しやすいのが、非接触型ICカードリーダライタの「ADR-MNICU3」です。

ADR-MNICU3は、ICカードをかざすだけで読み取りができる非接触型のカードリーダーです。サンワサプライの取扱説明書では、マイナンバー対応であること、公的個人認証サービスの適合性検証済みであること、カードをかざすと音が鳴るため認識したかどうかわかりやすいこと、USB Aでパソコンに接続することなどが説明されています。

介護事業所で使う場合、非接触型のメリットは「説明しやすい」ことです。

利用者や家族にマイナンバーカードを提示してもらう場面を考えると、「ここにカードを置いてください」「この上にかざしてください」と案内できる方が、現場ではスムーズです。接触型のように、差し込む向きや奥まで入っているかを説明する必要が少ないため、受付や相談室で使うなら非接触型の方が扱いやすいでしょう。

また、複数の職員が使う場合にも、操作方法を統一しやすいという利点があります。介護事業所では、特定の事務担当者だけでなく、管理者、生活相談員、ケアマネジャー、請求担当者などが確認作業に関わる可能性があります。誰が使っても同じように案内できることは、地味ですが大きなメリットです。

一方で、注意点もあります。

非接触型は、接触型に比べて価格が高くなる傾向があります。また、カードを置く位置がずれると読み取りにくい場合があるため、導入後は実際に使う机やカウンターで読み取り位置を確認しておく必要があります。

介護事業所で最初に1台導入するなら、個人的にはこの非接触型を優先してよいと思います。理由は、介護現場では「安いこと」以上に、「職員が迷わず使えること」「利用者や家族に説明しやすいこと」が重要だからです。

サンワサプライ ADR-MNICU3 非接触カードリーダー

接触型なら「サンワサプライ ADR-MNICU2」

費用を抑えたい場合や、事務室内で職員だけが使う前提であれば、接触型ICカードリーダライタの「ADR-MNICU2」も候補になります。

ADR-MNICU2は、マイナンバーに対応した接触型ICカードリーダーで、公的個人認証サービスに対応している製品です。

接触型のメリットは、比較的導入しやすい価格帯であることです。

介護情報基盤を利用する端末が事務室の1台に決まっていて、実際の操作も管理者や請求担当者など限られた職員が行うのであれば、接触型でも実務上は十分に使える可能性があります。利用者や家族にその場で操作してもらうのではなく、職員がカードを預かって確認する、あるいはバックオフィスで確認するような運用であれば、接触型は現実的な選択肢です。

ただし、接触型はカードを差し込む操作が必要です。差し込む向き、奥まで入っているか、読み取り中に抜いてしまわないかなど、非接触型よりも操作上の注意が増えます。利用者や家族に説明しながら使う場面では、職員側の案内が少し煩雑になるかもしれません。

サンワサプライ接触型カードリーダー

介護事業所では「使う場所」から選ぶ

カードリーダー選びで大切なのは、商品スペックだけを見て決めないことです。

たとえば、受付や相談室で利用者・家族に説明しながら使うなら、非接触型の方が扱いやすいでしょう。カードをかざすだけなので、職員も案内しやすく、利用者側も操作を理解しやすくなります。

一方、事務室の決まったパソコンで、請求担当者や管理者だけが使うのであれば、接触型でも十分に運用できる可能性があります。価格を抑えながら最低限の環境を整えたい事業所にとっては、接触型も選択肢になります。

整理すると、次のように考えるとよいでしょう。

運用イメージ選びやすいタイプ理由
受付・相談室で利用者や家族に説明しながら使う非接触型かざすだけで説明しやすい
複数の職員が共用する非接触型操作方法を統一しやすい
事務室内で決まった担当者が使う接触型コストを抑えやすい
まずは最低限の環境を整えたい接触型小規模事業所でも導入しやすい
操作ミスや説明負担を減らしたい非接触型カードの向きや差し込みの説明が少ない

助成金があるからといって、必ず高い機種を選ぶ必要はありません。しかし、介護事業所では、制度対応そのものよりも「現場で使い続けられるか」が重要です。実際に使う場面を想定し、スムーズな導入ができるように適切なカードリーダーを選びましょう。

ケアプランデータ連携システムと一緒に考えるべき理由

今回の通知で注目したいのは、介護情報基盤の接続サポートだけでなく、ケアプランデータ連携システムの接続サポートを一体的に受ける場合も助成対象になる点です。

ケアプランデータ連携システムは、これまで十分に普及したとは言いにくい状況でした。理由は明確です。送る側と受ける側の両方が使わなければ意味がないこと、利用環境の制約があったこと、現場でFAX運用が根強く残っていたことなどが背景にあります。

しかし、介護情報基盤の整備が進むと、ケアプランだけを単独でデータ連携するというより、介護保険情報、認定情報、主治医意見書、ケアプランなどを一体的に扱う方向へ進んでいきます。

つまり、今後は「ケアプランデータ連携を使うかどうか」ではなく、「介護情報基盤を含めたデジタルな情報連携にどう対応するか」という段階に移ります。

居宅介護支援事業所にとっては、サービス事業所への情報共有の方法が変わる可能性があります。サービス事業所にとっては、ケアマネから送られてくる情報をただ待つ、またはケアマネに要求するのではなく、自事業所で必要な情報を確認する姿勢が求められるようになります。

これまでケアマネジャーが担ってきた「情報の中継役」としての負担は、介護情報基盤によって一部軽減される可能性があります。
「負担割合は何割でした?コピーまだもらってないんですけど」
という毎年夏に繰り返されていたやり取りも少なくなるかもしれません。
一方で、各サービス事業所は、自分たちで情報を確認し、管理する責任をより強く持つことになります。

事業所内で作っておきたい準備チェックリスト

助成金を申請する前に、事業所内で次の項目を確認しておくとよいでしょう。

確認項目チェック内容
サービス種別訪問・通所・短期滞在系、居住・入所系、その他のどれに該当するか
助成上限額自事業所の上限額はいくらか
導入機器カードリーダーを何台購入するか
利用端末どのパソコン・タブレットで使うか
接続支援外部業者に端末設定や証明書設定を依頼するか
ケアプラン連携ケアプランデータ連携システムの接続支援も同時に受けるか
管理責任者証明書・端末・カードリーダーの管理者を誰にするか
職員研修誰に、どの範囲まで使い方を共有するか
業務フロー資格確認や認定情報確認をどの場面で行うか
記録ルール確認した情報をどのように記録・共有するか

このチェックリストを見てもわかるように、助成金の申請は単なる事務手続きではありません。

本当に必要なのは、事業所の中で「誰が、どの端末で、どの情報を、いつ確認するのか」を決めることです。そこまで決めて初めて、介護情報基盤は現場で使える仕組みになります。

小規模事業所ほど早めに準備した方がよい

介護情報基盤のような新しい仕組みは、大規模法人の方が対応しやすいと思われがちです。情報システム担当者がいたり、複数拠点で同じ運用を展開できたりするからです。

一方、小規模事業所では、管理者が請求、採用、利用者対応、行政対応まで兼務していることも多く、新しい制度対応が後回しになりやすい現実があります。

しかし、今回の助成金に関しては、小規模事業所ほど早めに確認しておく価値があります。

なぜなら、カードリーダーや接続サポートにかかる初期費用は、上限額の範囲内で一定程度カバーできる可能性があるからです。大規模事業所では端末台数や拠点数が多く、助成上限を超える費用が発生しやすい一方、小規模事業所では必要最小限の構成であれば、負担を抑えて導入できる可能性があります。

もちろん、実際の費用は購入する機器や依頼する支援内容によって異なります。だからこそ、早めに見積もりを取り、助成対象になる経費と自己負担になる経費を分けて考えることが重要です。

介護情報基盤は「いつか対応するもの」ではなくなった

介護情報基盤について、まだ地域で本格的に動いていないから様子を見る、という事業所もあるかもしれません。

たしかに、介護情報基盤の運用開始は自治体ごとに段階的に進みます。全国一斉にすべての機能が同じタイミングで使えるようになるわけではありません。

しかし、助成金の申請受付が始まったということは、制度はすでに「説明を聞く段階」から「導入準備を進める段階」に移ったということです。

2026年度から順次稼働し、2028年4月の全国運用開始を目指すというスケジュールを考えると、2026年度は介護事業所にとって準備の年になります。ここで何も準備していないと、実際に地域で運用が始まったときに、機器もない、端末設定もできていない、職員も知らない、という状態になりかねません。
ここがケアプランデータ連携システムとの根本的な違いです。

特に介護事業所では、日々のサービス提供を止めることができません。だからこそ、今のうちに少しずつ準備しておくことが、結果的に現場の混乱を防ぐことにつながります。

助成金をきっかけに、情報管理の体制を見直そう

今回の介護情報基盤に関する助成金は、2026年5月7日から申請受付が始まり、2027年3月12日までの予定で実施されます。対象となるのは、2026年4月1日以降に実施された事業です。申請は介護情報基盤ポータル経由で行い、カードリーダーの購入経費や介護情報基盤との接続サポート等経費が助成対象になります。

助成限度額は、訪問・通所・短期滞在系で6.4万円まで、居住・入所系で5.5万円まで、その他で4.2万円まで。カードリーダーの助成限度台数もサービス種別によって異なります。

ただし、今回のポイントは金額だけではありません。

介護情報基盤は、介護事業所の情報確認、ケアマネジャーとの連携、医療機関との情報共有、自治体とのやり取りを変えていく仕組みです。今回の助成金は、その変化に対応するための最初の準備費用を支援するものです。

申請するかどうかを考える前に、まずは自事業所で次の問いを確認してみてください。

  • どの端末で介護情報基盤を使うのか。
  • 誰が資格情報や認定情報を確認するのか。
  • カードリーダーは何台必要なのか。
  • 証明書や端末の管理責任者は誰か。
  • ケアプランデータ連携システムへの対応も同時に進めるのか。

この問いに答えられる状態を作ることが、助成金申請の本当の準備です。

介護情報基盤は、これからの介護事業所にとって避けて通れない情報インフラになっていきます。今回の助成金を、単なる補助金情報として終わらせるのではなく、自事業所の情報管理と業務フローを見直すきっかけにしていきましょう。

事業所のDX化など、迷った際にはまずは気軽に相談できる窓口があるといいですよね。ウェルコネクトにもぜひ気軽にご相談を。

ケアマネ

利用者側がマイナンバーカードを取得している前提なんですけど、マイナンバーカード取得や管理をどうするっていう問題がいまだに解決していないんですけど、どうなるんでしょうね・・・。

介護福祉のウェブ制作ウェルコネクト

編集:
介護福祉ウェブ制作ウェルコネクト
編集部(主任介護支援専門員)

ケアマネジャーや地域包括支援センターなど相談業務に携わった経験や多職種連携スキルをもとに、介護福祉専門のウェブ制作ウェルコネクトを設立。情報発信と介護事業者に特化したウェブ制作サービスとAIを活用した業務改善提案を行う。

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