だから、ウェブアクセシビリティって何なのよ。

さて、先ほどのエントリーの続きで書きますが。
ウェブアクセシビリティというのは、
結局、そのほとんどが視覚障害への配慮という名目で行われる
テクニックの問題として扱われています。
けれど、
アクセシビリティが実装されていればどんな人にもつかいやすいかといえば、
またそれは別問題の気がします。
それでは、たとえば高齢者にはどんなウェブサイトが使いやすいのか。
ウェブにおいて、高齢のパワーユーザーは比較的少数です。
それは、新しいことにチャレンジすることに抵抗がある、からです。
いままで培ってきた習慣や経験のまったく通用しない局面に
自ら進んで入っていくというのは、おおきなチャレンジです。
経験などが豊かな一方、
若い人の持つような適応力や学習能力には劣る傾向があります。
ということは、高齢の人が使いやすいウェブというのは、
迷いが少ないウェブサイト、ではないでしょうか。
アクセシビリティ実装の際に、
すぐに求めているページにたどり着けるように
あちこちにリンクをペタペタ貼り付けているサイト。
これは、行動の選択肢を増やしていますが、
本来の目的へたどり着きにくくしている要因でもあります。
軽度の知的障害を持つユーザーにとっても、同じことが言えるのではないでしょうか。
スモールステップで、
できるだけ少ない選択肢をいくつか重ねて、つまづきを少なくすることで
目的にたどり着く、
これが知的障害の方に対する援助の基本です。
それはウェブでも同じではないでしょうか。
高齢のユーザーに、
ナビゲーションで「ホーム」と記述しても、「ホーム」って何?となりますし、
「トップへもどる」と記述しても、「トップ」って洗剤?ってなるでしょう。
結局、誰もが使いやすいサイトを作るのは、
パワーユーザーのなかのパワーユーザーであるデザイナー。
その意識にはマニュアルで埋められない温度差があるのではないでしょうか。
ウェブアクセシビリティはどこまでユーザーの立場に立った支援をできるのか。
介護・福祉とその点は同じなのかもしれませんね。

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