福祉用具貸与のみのケアプラン減額問題について

久しぶりにブログ更新します。

すでに介護保険制度の次期改定にむけた議論が盛んにおこなわれています。

2024年改定は事業者にとって逆風になるんじゃないかという意見が強く、じゃあなんのための消費税増税だったのかとか、思うところはいろいろありつつ。

その中でも白熱しているのが、福祉用具貸与のみのケアプランは減額するべきだという財務省が指摘した問題です。

そもそも福祉用具貸与のみのケアプランは簡単なのか?

福祉用具貸与のみのケアプランなんて手間もかからないから簡単でしょ。みたいな言い分を財務省はするんですけれど、果たしてそうでしょうか。

レンタル価格1,500円(1割負担であれば利用者負担150円)の杖をレンタルするのに、ケアマネに支払われる居宅介護支援費10,000円として計算しています。

1500円のサービスのために1万円支払うのはおかしいじゃないかという言い分のようです。

という財務省の言い分ですが、個人的に思う部分を羅列して書いてみます。

  • 福祉用具も利用者の状態に合わせて適切な品目を選定、状態に合わせて変更する必要がある
  • 福祉用具のレンタル価格も基準に応じて見直しが必要なので単位数がコロコロ変わって手間も多い
  • ケアプランにはインフォーマルサービスを位置付けることを厚生労働省にゴリ押しされ続けて、給付対象は福祉用具だけだから報酬カットしますと・・・
  • 末期がんなどの利用者は、訪問看護も介護保険から抜けて医療保険対象になるので、介護保険サービスは福祉用具のみになる場合が圧倒的に多い。厚生労働省がケアマネに終末期の対応をこれまで求めてきたのと逆行している
  • そもそもサービスが何であれケアプランプロセスは変わらないので、手間が少なくなることはない

どれだけ財務省の指摘が的外れなのかを羅列してみたのですが。

介護支援専門員協会からもまっとうな批判が

そして、ケアマネの業界団体である日本介護支援専門員協会からもまっとうな反論が示されています。

日本介護支援専門員協会:福祉用具貸与サービスの単独利用における居宅介護支援の実態調査報告書

日本介護支援専門員協会がこれほどまっとうで根拠をもとにした反論をしたことはなかったかもしれないと思うくらい、論点が整理されていますね。

調査結果では、財務省が問題と指摘していた「歩行補助杖貸与のみを利用」しているプランは給付対象者全体の1.2%にしか過ぎなかったということです。

たったの1.2%です。

それをモデルに仕立てて、対象を福祉用具のみ利用者全体に膨らませ、介護保険制度の要である居宅介護支援の報酬をカットしようとしているのです。

どんだけ悪意の塊なんでしょう。

ただ残念なのは、調査対象者の少なさですね。

有効回答者が545名しか得られなかったと。

協会員以外にも対象広げてアンケート取ってもいいくらいだとは思いますけど。アンケート回収期間も短いし年度末だし、それを考えればよくやった方だと評価してあげたい調査だと思います。

この議論は今に始まったことではない

でも、この議論って、実際は今に始まったことではないんですよね。

平成26年11月の介護給付費分科会でもこの議論が出てきています。

こういう芽がいつまでもくすぶり続けて、いつの間にか既定路線になっていくのが最近のパターンですよね。居宅介護支援費の利用者自己負担問題や、利用者負担の原則2割問題なんかもそうですよね。

つらつらと言いたいことを書いてきましたが。。。

財務省はこれだけ不景気が続いて国民の財産を奪っておきながら、財政が苦しいと言って社会保障にかかるお金に平然と手を付けると。それだけならまだしも、誰かを悪者に仕立て上げて陥れ、社会の議論を誘導しようとする手法は本当に悪辣だと思います。

みなさんもそう思いません?


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