菊池大介が魅せた1ゴール1アシスト。彼が88分までプレーした訳。

前節に続いてスタメン出場の17歳、菊池大介がまた魅せた。


先制ゴールは、原・石原がしぶとくつないだボールを受け取り、
するすると中央に切り込み、ボールコントロールを一瞬ミスしたようにも見えたが、
すぐに修正して右足でゴール。
完全にDFを手玉に取る格好となった。
そして、後半。
劣勢な時間帯で、右サイドでボールを受けて低く鋭いクロス。
DFとキーパーの間を縫うように、
糸を引くようなクロスが21歳年上の加藤望のゴールを生んだ。
消えている時間帯も多かったし、相変わらずミスも多かった。
けれど、ここぞという一瞬に見せるプレーは誰よりも輝きを放っていたのかもしれない。
菊池大介は結局、88分までプレー。
体力的にもかなり消耗していたことは間違いなかったが、
それまで交替をさせなかった。
なぜか。
そこにはチーム事情が関係している。
前線の一枚、つまり、石原のパートナーは後半の途中で替えることがパターンとなっている。
前線から激しいチェイシングを行うベルマーレのFWには運動量が要求される。
試合の途中でFWを一枚交替するというのは、
攻撃に変化をつけるためだけの問題ではなく、前線からの守備の問題でもある。
この日(福岡戦)は、好調の福岡に対して、前半は原が積極的にプレスを行い、
前半をイーブンで折り返して、後半、阿部を投入して勝負というねらいが見えていた。
これで選手交替の枠を一つ使わざるを得ない。
そして、二つ目の交替枠は38歳、加藤望。
豊富な運動量を誇り、チーム内での体力テストはトップクラスの加藤ではあるが、
この夏場、やはり後半の運動量の低下はやむをえないところ。
加藤を90分間フルタイムで起用することは監督のプランの中にはない。
この日も疲れのためか、単純なミスがいくつも見られた。
そして、残るのはもう一枠。
つまり、これを17歳で実戦経験が少なく、
トップとの体格差などに消耗が激しいことから、
菊池大介を途中で替えるというのが常識的な判断となるだろう。
となると、それ以外には、戦術的な選手交替は、一切行えない。
または、他の選手にトラブルがあった場合にはそのプランを崩さなければならない。
そこで出した結論は、菊池大介を90分間プレーさせること。
前節は82分間、今日は88分間プレーした。
夏休み期間中は、菊池大介の出場時間は増えていくだろう。
アジエルを失ったチームが8月を乗り越えることができるかは、
菊池大介にかかっているといっても過言ではない。

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