IT導入補助金とICT導入補助金、どこが違うの?介護事業者が選ぶなら?

IT補助金とICT補助金、介護事業所へのおすすめは?

介護事業者、2023年を生きる道

物価や燃料高などによる支出額の高騰。

採用にかかる人件費の増加。

2023年、介護事業者の経営は非常に大きな課題を抱え、年頭を迎えています。

そんな介護事業者を照らすかすかな光が補助金です。

介護事業者が利用できる補助金もいくつかあります。

以前、小規模事業者持続化補助金でホームページ制作ができることについてご案内させていただきましたが、たくさんの方に閲覧していただき関心を持っていただいています。

小規模事業者持続化補助金は対象範囲が広く使い勝手のいい補助金ですが、年々採択率を見ても採択へのハードルは高くなっているように思います。

その点、採択率が高く、介護事業者にとっても魅力的な補助金がIT導入補助金とICT導入補助金です。

IT導入補助金とICT導入補助金?

同じじゃないの?と思う方もいると思いますが、これが違うんです。

では、この二つの制度の違いと、介護事業者にとってどちらがおすすめかを解説していきます。

はじめに言っておくのですが、単なるホームページ制作ではこの二つの補助金は対象になりませんのであしからず。

IT導入補助金とは

IT導入補助金について解説します。

IT導入補助金は経済産業省が管轄の補助金で、ホームページ上ではこのように記載されています。

IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者等のみなさまが自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する経費の一部を補助することで、みなさまの業務効率化・売上アップをサポートするものです。

IT補助金ホームページより

IT導入補助金は業務効率化・売上アップを達成するためにITツールを導入する場合に申請できる補助金です。現在、3つの類型があります。

通常枠(A・B類型)

中小企業・小規模事業者等のみなさまが自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する経費の一部を補助することで、みなさまの業務効率化・売上アップをサポートするものです。
自社の置かれた環境から強み・弱みを認識、分析し、把握した経営課題や需要に合ったITツールを導入することで、業務効率化・売上アップといった経営力の向上・強化を図っていただくことを目的としています。

セキュリティ対策推進枠

セキュリティ対策推進枠の事業の目的等はこちら

デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)

中小企業・小規模事業者等のみなさまが導入する会計ソフト・受発注ソフト・決済ソフト・ECソフトの経費の一部を補助することで、インボイス対応も見据えた企業間取引のデジタル化を推進することを目的としています。

IT補助金ホームページより

これに加えて、複数社連携IT導入類型という類型も追加されました。

ただ、介護事業者が申請するとしたらおそらく通常枠を狙うことが多いかと思います。

対象経費としては以下のようなものが該当します。

ソフトウェア購入費、クラウド利用料、導入関連費、デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)は左記に加えハードウェア購入費が対象

本サイトにて公開予定のITツールが補助金の対象です。(一部のハードウェアを除く)

IT補助金ホームページより

ソフトウェアやクラウドの利用料が対象となります。例えば、介護保険ソフトを導入することなどが想定されます。通常枠であればクラウド利用料は1年分が対象となっています。

通常枠の場合、補助の上限額は以下のようになっています。

A類型30万~150万円未満
B類型150万~450万円以下
補助率補助率 1/2以内

IT導入補助金の採択率ですが、2022年は平均66%。かなり高い採択率となっています。

ここまでIT導入補助金についての概要をお伝えしました。

IT導入補助金について簡単に・ざっくり説明すると、このようになります。

幅広い業種の中小企業を対象に、売上アップ・業務効率化に直結するツール導入を支援する経済産業省管轄の補助金

ICT導入補助金とは

続いてICT導入補助金について概要をお伝えします。

一番の違いは、IT導入補助金が経済産業省が管轄であるのに対し、ICT導入補助金は厚生労働省が管轄となる補助金です。

そのため、対象となるのは介護サービス事業者に限定されます。

ICT導入補助金の要件は各都道府県によっていくつか異なる部分があります。

具体例として示されているものは以下のようなものです。

ICT導入支援事業の要件(一例)

  • 記録・情報共有・請求の各業務が一気通貫になること
  • ケアマネ事業所とのデータ連携に標準仕様の活用に準ずること
  • LIFEによる情報収集に対応していること
  • 導入事業所による他事業者からの照会に対応していること
  • 事業所による導入効果報告に応じること 

具体的には介護ソフトをイメージしていただくといいかと思います。

ICT導入補助金に関しては、ソフトウェアだけでなく、タブレット端末・スマートフォン等ハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク機器の購入・設置費等も対象になっているということです。

職員の規模によっても補助金の金額も異なっており、人数がおおければその分補助額も大きくなります(補助額は都道府県によって異なる)。

ちなみに神奈川県の場合は以下のような補助額となっています。

1事業所あたり対象経費の4分の3又は2分の1

補助上限額は職員数に応じて、次のとおり設定。

  • 職員1人~10人 :100万円
  • 職員11人~20人:160万円
  • 職員21人~30人:200万円
  • 職員31人以上  :260万円
神奈川県ホームページより

記録から請求までを行うクラウド型介護ソフトを導入し、購入したタブレットを職員に配布、事業所内のwi-fiネットワーク環境を整えると。ここまで補助金で対象となっているので、一気にクラウド環境が整うことになります。

介護事業者のICT導入に関しては政府もかなり前のめりで進めていきたい方針ですので、申請しやすい内容になっています。

ICT導入補助金について簡単に説明しました。

介護サービス事業者を対象に、記録・情報共有・請求を一気通貫で行うツールとハードウェア・ネットワーク機器導入を支援する厚生労働省管轄の補助金

IT導入補助金・ICT導入補助金、どっちがおすすめ?

では、このふたつの補助金。どちらがおすすめか。比較してみます。

IT導入補助金(通常枠)ICT導入補助金
管轄経済産業省厚生労働省
対象事業者中小企業介護サービス事業者
対象経費業務効率化・売上アップに直結するITツール
ソフトウェア購入費・クラウド使用料
記録・情報共有・請求まで一気通貫できるツール
ソフトウェア・ネットワーク機器購入費・タブレットやスマートフォン
補助率対象経費の1/2以内対象経費の3/4もしくは1/2以内(都道府県によって異なる)
上限額A: 30万円~150万円未満
B: 150万円~450万円以下
職員1人~10人 :100万円
職員11人~20人:160万円
職員21人~30人:200万円
職員31人以上  :260万円

介護現場では、訪問サービスにしても、施設でのサービスにしても、ソフトに記録を行うことが非常に重要です。記録を作成するのに、端末が不足していては、端末が飽くまでの時間を待つ時間のロスがあれば、職員の勤務時間も伸び、残業も発生します。どんなに優れたITツールを導入したとしても、結局、情報の入力を行うのは人間です。記録入力のための端末がその時間勤務する職員分確保できていることが重要です。

ハードウェアの購入費用も対象になっているICT導入補助金を活用することをお勧めしたいです。

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