書いたらアウト?介護のホームページで“やりがち”なNG表現5選

介護のホームページ、NG表現

前回の記事では、介護事業所のホームページに何を載せればいいのかについて解説しました。

最低限でいいこと。
頑張りすぎなくていいこと。
誰のために書くのかを思い浮かべること。

これらを意識するだけで、
ホームページづくりのハードルはかなり下がります。

一方で、
「何を載せるか」と同じくらい大切なのが、どう書くか、どんな表現を使うかです。

介護のホームページでは、何気なく書いた言葉が、

  • 誤解を生んだり
  • 誰かを傷つけたり
  • 期待値を上げすぎたり
  • 現場の負担になったり

してしまうことがあります。

特に、異業種参入の方や、一般的なWebマーケティングの考え方をそのまま当てはめると、反発を受ける事例も少なくありません。

この記事では、介護のホームページでついやってしまいがちなNG表現を、その理由とあわせて5つ紹介します。

ホームページを作る・リニューアルするその前に、あらかじめ知っておきたい考え方を解説していきます。

NG表現1|効果や結果を断定する表現

介護のホームページで、特に注意したいのが、効果や結果を断定する表現です。

たとえば、

  • 必ず改善します
  • 間違いない効果を保証します
  • 利用前と比べて、こんなに良くなりました

といった言葉や、
写真付きのビフォーアフター紹介。

分かりやすく、良さが伝わりそうに見えますが、介護サービスではとても慎重になる必要があります。

介護は、医療と同様に、結果を保証できるものではありません

一人ひとりの状態や環境が違い、同じ支援をしても、同じ変化が起きるとは限らないからです。

特定の事例を紹介したつもりでも、それを見た利用者や家族は、
「自分も同じようになる」と期待してしまうことがあります。

その期待と現実のズレは、クレームや不信感につながりやすく、結果的に現場や管理者の負担を増やしてしまいます。

実は、医療広告では、ビフォーアフター表現が厳しく制限されています。
介護のホームページでも考え方は同じです。

もし事例を紹介する場合は、

  • あくまで一例であることを明確にする
  • 結果ではなく、取り組みや関わり方を中心に書く
  • 再現性を期待させる表現は避ける

といった配慮が必要です。

「良くなったこと」「効果」を強調するより、どう向き合い、どんな支援をしているかを伝える。そのプロセスにある価値を表現する。
基本的には、介護は続くものであり、ともに歩んでいくものです。
終わりを描くのではなく、今をどう輝かせるか、を大事に表現していくことが望ましいと思います。

NG表現2|根拠がないのに「No.1」「一番」を名乗る表現

介護のホームページで、比較的よく見かけるのが、他より優れていることを強く打ち出す表現です。

たとえば、

  • 地域No.1の訪問介護
  • 一番選ばれています
  • 最高品質のサービス

といった言葉です。

事業所の良さを伝えたい、教育もきちんとやってきた、スタッフを誇りに思っている。
だからこそ胸を張って伝えたい。
その気持ちは、とてもよく理解できます。

ただ、これらの表現は、
根拠がはっきり示せない場合、誤解を生みやすいという側面があります。

何と比べてNo.1なのか。
誰が、どの基準で評価したのか。
いつ時点の話なのか。

こうした前提条件が書かれていないと、見る人によって受け取り方が大きく変わってしまいます。

特に、ケアマネや医療機関、他の介護事業者が見たときに、
「自己評価が強い事業所」「他を見下している事業所」という印象を与えてしまうこともあります。
これは、地域内での連携や関係性を大切にしていく介護の現場では、あまり望ましい状態とは言えません。

間違えてはいけないのは、差別化そのものがいけないということではありません。

問題になるのは、評価や優劣を、自分たちの物差しで断定してしまうことです。

それよりも、

  • 開設から〇年、地域で活動してきたこと
  • どんな相談に応えてきたのか
  • どんな支援を大切にしてきたのか
  • どんなスタッフと歩んできたのか

といった、事実や積み重ねをよりリアリティをもって伝えることで、信頼につながります。

介護の仕事は、「一番かどうか」で選ばれるものではありません。
もし仮に地域一番の事業所が存在するとしても、すべての利用者にとって一番の事業所のサービスが最高であるわけではなく、その人に適したサービス・その人に適した事業所があります。

誰かと競い合って優劣を決めるのではなく、それぞれの役割を持ちながら、地域の中で支え合っていくものです。

ホームページで伝えるその姿勢が、長く関係を続けていくうえでの土台になります。

NG表現3|誤解を招く表現

介護のホームページで、意図せず誤解を招いてしまいやすいのが、
言葉の使い方そのものは間違っていないが、受け手の解釈がズレてしまう表現です。

その代表例が、「リハビリ」や「機能訓練」といった言葉です。

たとえば、理学療法士等の配置のないデイサービスの事業所が

  • リハビリを行っています

と書いたとき、
書き手としては
「生活の中で体を動かす支援」
「今の状態を保つための関わり」
「生活そのものがリハビリ」
を想定しているかもしれません。

しかし、読む側、とくに利用者や家族は、

  • 治療が受けられる
  • 医療的なアプローチで機能が改善する
  • 医療職による専門的な訓練を受けられる

といったイメージを重ねてしまうことがあります。

ここに、意図と受け取りのズレが生まれます。

運動系・機能訓練重視のデイサービスが増えていますが、理学療法士・作業療法士等のリハビリ専門職ではなく、機能訓練指導員が行うケースも少なくありません。

しかし、「リハビリ」という言葉だけを使ってしまうと、医療的な介入を連想してしまいます。

特に医療に関する領域は非常にデリケートで、ケアマネも神経質になる場合があります。
もちろん、リハビリ専門職でなくても効果的な機能訓練を提供している事業所はたくさんありますが、大切なのは、誤解を招かない表現を心がけることです。

NG表現4|何でも対応できるように見せる表現

介護のホームページでよく見かけるのが、対応範囲を広く見せようとする表現です。

たとえば、

  • どんなご要望にも対応します
  • 柔軟に対応いたします
  • 一人ひとりに合わせたオーダーメイドの介護

一見すると、親切で頼りになりそうな印象を与えます。
しかし、実際にはこのような表現が、相談のハードルを上げてしまうことがあります。

理由はシンプルで、具体的に何を相談していいのかが分からないからです。

「どんなことでも」と書かれていると、逆に、

  • これは頼んでいいのだろうか
  • ここまでお願いしても大丈夫だろうか
  • 断られたらどうしよう

と、考えてしまう人も少なくありません。

また、こうした抽象的な表現は、問い合わせの内容がばらつきやすく、
結果として管理者や現場の説明負担を増やすことにもつながります。

介護の現場では、対応できること・できないことがはっきりしています。
それを曖昧にしたまま伝えてしまうと、
期待と現実のズレが生まれやすくなります。

実は、ホームページでは
具体的に書いたほうが、相談はしやすくなります。

たとえば、

  • 現在対応しているサービス内容
  • 対応エリア
  • 対応ができないこと

こうした情報があることで、
「自分のケースは相談してよさそうだ」
と判断しやすくなります。

たとえば、訪問介護のホームページで「どんなことでもご相談ください」と書いてあって、相談をした利用者に対して
「介護保険の対象外サービスなので受けられません」
と答えてしまうと確実に不信感につながります。
何が保険対象か、どんなサービスだったら対応できるのか。
介護においてはサービス提供側と利用者側には情報の非対称性があるので、それを意識し、誤解につながる表現は避けるべきです。

何でもできるように見せるより、できることを正確に伝える

そのほうが、無理のない相談につながり、結果的に現場の負担も減らすことができます。

NG表現5|不安を過度にあおる表現

介護のホームページで、意図せず使ってしまいがちなのが、
不安を強く刺激する表現です。

たとえば、

  • このままだと転倒して骨折します
  • 生活が成り立たなくなります
  • 判断能力が落ちる前に対応が必要です
  • 今動かないと手遅れになります

といった言葉です。

もちろん、悪意からではなく、介護に関して多くの経験をしたことから、
今後起こりうるリスクを先回りして予測し、早めに相談してほしい、
という思いから出てくる表現だと思います。

ただ、こうした書き方は、受け手に「考える余地」を残さず、
恐怖や焦りだけを先に与えてしまうことがあります。

特に最近は、介護の周辺業界で、

  • 転倒リスクを強調する
  • 認知機能の低下を過度に煽る
  • 成年後見や財産管理の必要性を強調する
  • この施設にすぐに入居できるのは今だけ

といった表現も目立ちます。

介護事業所のホームページが、こうした煽りと同じ文脈で見られてしまうと、
「不安を利用している」という印象を与えかねません。

そのためには、過度に不安を煽らないことも重要になります。

たとえば、

  • 不安を感じた段階で相談できる体制があること
  • 状況に応じて、利用できる選択肢があること
  • 今すぐ決めなくてもよい場合があること

こうした情報を提示することで、利用者や家族にとっては、安心につながります。

介護は、「怖がらせて動かす」ものではありません。

時間をかけて考え、納得して選んでもらうことが、長く続く支援につながります。

だからこそ、不安を煽る言葉ではなく、寄り添う言葉を選ぶ
それが、介護のホームページに求められる姿勢だと思います。

まとめ

介護のホームページで大切なのは、強い言葉・インパクトの表現で選ばれることではありません。

介護事業は、利用者や家族、ケアマネ、医療機関、他事業者、行政、地域など、多くの関係者との信頼関係の上に成り立っています。

ホームページもまた、そうした人たち全員に見られています。

だからこそ、優劣をつける表現や、不安を煽る言葉は避け、誤解を生まない、節度ある表現を選ぶことが大切です。
マーケティングに強い制作業者に相談すると、インパクトや誘因効果の強い表現をするホームページが作られることも少なくありません。短期的に結果が出たとしても、中長期的にそれが事業所の成功につながるかというと、疑問を投げかけずにはいられません。

地域で生きていく介護事業を長く続けるため、ホームページ制作においてもコンプライアンスは十分意識しなければいけません。それを理解できる・介護業界の仕組みを理解できるホームページ制作業者に相談することがひとつの解決策になります。

介護福祉のウェブ制作ウェルコネクト

編集:
介護福祉ウェブ制作ウェルコネクト編集部(主任介護支援専門員)

ケアマネジャーや地域包括支援センターなど相談業務に携わった経験や多職種連携スキルをもとに、介護福祉専門のウェブ制作ウェルコネクトを設立。情報発信と介護事業者に特化したウェブ制作サービスとAIを活用した業務改善提案を行う。

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