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結局のところ、ウェブアクセシビリティって何よ。
これまでいろいろアクセシビリティについて書いてきましたが、
結局、ウェブアクセシビリティって、何なのよ、っていう話です。
webJISが出て、
ウェブアクセシビリティ実装がひとつのトレンドのようにもてはやされ、
視覚障害者はこうこうこういう見え方をするから、
こういった表示で、こういった代替手段で、こういった対応をすればOK。
結局はwebJISという名のマニュアルが出て、
webJISに準拠したサイトを作ります、で
ウェブアクセシビリティの専門家の出来上がり。
でも、なんかすっきりとしない。
webJISによって、視覚障害の方を取り巻くウェブ環境は格段に進歩した、
これは間違いありません。
けれど、
せっかく視覚障害にも配慮したウェブサイト、っていう機会であるにもかかわらず、
デザイナーさんは、視覚障害はこうこうこういう見え方をする、という
本で読んだような情報だけを頼りにウェブアクセシビリティを構築する。
なんかもったいない。
ウェブアクセシビリティを機会に、
デザイナーさんと視覚障害をもつユーザーさんが
もっと相互に理解しあう機会をもてないものだろうか。
そういった交流を通して、
多種多様な視覚障害を深く知る機会を得ることができ、
ウェブアクセシビリティが向上するきっかけになるかもしれない。
教員養成のためには、介護施設などへの実習が義務付けられているように、
ウェブデザイナーさんにもそんな機会があったりしたら
いいなぁ、なんて考えてしまうのは
福祉畑の人間だから考えてしまうことでしょうか。。。
ウェブアクセシビリティは哲学か、理念か、テクニックか
ウェブアクセシビリティというのは、
結局、そのほとんどが視覚障害への配慮という名目で行われる
テクニックの問題として扱われています。
けれど、
アクセシビリティが実装されていればどんな人にもつかいやすいかといえば、
またそれは別問題の気がします。
それでは、たとえば高齢者にはどんなウェブサイトが使いやすいのか。
ウェブにおいて、高齢のパワーユーザーは比較的少数です。
それは、新しいことにチャレンジすることに抵抗がある、からです。
いままで培ってきた習慣や経験のまったく通用しない局面に
自ら進んで入っていくというのは、おおきなチャレンジです。
経験などが豊かな一方、
若い人の持つような適応力や学習能力には劣る傾向があります。
ということは、高齢の人が使いやすいウェブというのは、
迷いが少ないウェブサイト、ではないでしょうか。
アクセシビリティ実装の際に、
すぐに求めているページにたどり着けるように
あちこちにリンクをペタペタ貼り付けているサイト。
これは、行動の選択肢を増やしていますが、
本来の目的へたどり着きにくくしている要因でもあります。
軽度の知的障害を持つユーザーにとっても、同じことが言えるのではないでしょうか。
スモールステップで、
できるだけ少ない選択肢をいくつか重ねて、つまづきを少なくすることで
目的にたどり着く、
これが知的障害の方に対する援助の基本です。
それはウェブでも同じではないでしょうか。
高齢のユーザーに、
ナビゲーションで「ホーム」と記述しても、「ホーム」って何?となりますし、
「トップへもどる」と記述しても、「トップ」って洗剤?ってなるでしょう。
結局、誰もが使いやすいサイトを作るのは、
パワーユーザーのなかのパワーユーザーであるデザイナー。
その意識にはマニュアルで埋められない温度差があるのではないでしょうか。
ウェブアクセシビリティはどこまでユーザーの立場に立った支援をできるのか。
介護・福祉とその点は同じなのかもしれませんね。
肌感でそれを知っているのと知らないのとの違い。
頭の中では知っているけれど、そのユーザーを具体的にイメージできるかの違い。
その違いは非常に大きいのかなと感じます。
だからこそ、介護業界出身の人間としてウェブ界隈で果たすべき役割は大きいのかなと思っています。

編集:
介護福祉ウェブ制作ウェルコネクト編集部(主任介護支援専門員)
ケアマネジャーや地域包括支援センターなど相談業務に携わった経験や多職種連携スキルをもとに、介護福祉専門のウェブ制作ウェルコネクトを設立。情報発信と介護事業者に特化したウェブ制作サービスとAIを活用した業務改善提案を行う。



