そこに熱狂があっても、そこに勝利があっても

敗色濃厚:2018年ワールドカップの意義

ハリルホジッチ日本代表監督の解任が発表され、
本日西野新監督の記者会見が行われました。
正式に西野新体制がスタートを切ったことになります。
残された時間は二か月。
二か月です。

ボールを奪う、できるだけ早く攻め切る

日本サッカー協会は、ブラジルワールドカップ惨敗の反省から、
アギーレ監督を招聘、その後、ハリルホジッチ監督を迎えました。
ワールドカップでの経験のある監督という以外に、
「ボールを奪う」
「奪ったボールをできるだけ早くアタッキングエリアに入れて攻め切る」
これをテーマにすることを掲げての人選でした。
つまり、自分たちのサッカーといわれたポゼッションして時間をかけて崩し切るというスタイルから
コンパクトなプレスからのショートカウンターへと舵を切ったのです。
きっといろんな意見はあったと思いますが、技術委員会が検証して導き出した結論で
それで4年間やっていこうと決めたはずです。

ワールドカップにアジアで一位通過という結果も出ました。
それなのに。

テストマッチは選手選考のテスト。監督のテストではない。

テストマッチで本大会に向けてのオプションを探すテストや
様々な想定される展開を見越しての選手起用を行った結果、満足のいかない結果として監督を解任。
報道ではワールドカップにも出場できない国というが、
マリやウクライナは日本から見て明らかに格下かというと、そうではありません。
ウクライナは日本よりもFIFAランクでもはるか上位です。

たぶん可能性はないだろうなという選手もテストしました。
その選手が試合をぶち壊しましたが、それもサッカーです。そんなときだってありますよ。
テストマッチは選手選考のテスト、戦うためのテストであって、
監督を継続するかどうかのテストじゃなかったはずでしょう。

選手と監督のコミュニケーションなんて、全員と仲良しこよしでやっているチームなんてプロではありえません。
みんな試合に出たいのに試合に出れるのは11人+選手交代の3人まで。
試合に出れなきゃ不満だってあるし、おそらくそれは主力とみなされていない選手なわけですけど、
それがいるからって監督の首を切るなんて馬鹿な話があるものか。

食事管理されるのが不満?プロか?そんなの育成年代だってみんなやってるよ。
ミーティングが長いのが不満?反省する気も成長する気もないのか?
自分の意見を聞いてくれない?お前の意見を聞けばブラジルやスペインに勝てるのか?
いったい何をどう勘違いしているんだ。

鎖国万歳。大江戸ジャパン。

で、結局、「自分たちのサッカー」というポゼッション信仰で後ろでボールを横に横に回すサッカー。
ボール支配率はこっちの方が高いのに、とかプレーエリアもパス方向の分布も見ないでいうわけですよ。

さて、日本人の日本人らしいサッカーとは何か。
ポールを大事につなぐことが日本人らしいサッカーだと思っている人が大半なのですが、
本当にそうだったのか。
今までのワールドカップを見ても、そんなサッカーをしているのは2014年のザッケローニ監督のときだけです。

いつまでたっても日本人の日本人らしさなんて日本人にはわからないのかもしれない。
世界のサッカーから見てはじめて日本人は日本人の優れた部分に気が付くのかもしれない。
日本人スタッフで固めて、言葉の壁がなくなったとか、
このグローバル時代に。鎖国万歳。大江戸ジャパン。一生やってろ。

もうどうにでもなれ。
戦術も約束事もくそもない。セットプレーの確認くらいして本番を迎えましょう。
試合終了間際にリードを許している展開に一か八かで長身DFを前線に上げるパワープレーみたいなのを
キックオフからやるのを見ているようなものです。
いや、むしろ最初から吉田麻也を前線に上げるパワープレーでやってた方が可能性があるかもしれないと思える。

結果、列島が熱狂しても、勝利が得られたとしても、ただのプロセスもない勝利。
そのあとには何も残らない。
この4年間は何だったのか。

フットボールはまだそこに

さ。寝よう。
夢から醒めて4年間なかったことにしてまたスタートを切ろう。

Jリーグの中断期間が腹立たしい。
愛するクラブの試合を応援する時間すらも奪われるのだ。

そんな思いをしているみんな、6月はFリーグを見に行こう。

フットボールはまだそこに転がっている。

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