湘南に勝ち点3よりも意味のある勝ち点1。坂本鉱司に賛辞を。

それは突然舞い降りた劇的な幕切れ。
湘南ベルマーレは東京ヴェルディ相手にロスタイムで追いつくドローゲームを演じた。


雷雨による試合日程の変更のために余儀なくされた過酷なスケジュール。
そして台風によって水没したベルマーレの練習グラウンド。
湘南ベルマーレの受難はまだまだ続いた。
前半14分、フッキに単独突破を許し失点。
さらに、ワンプレーで4枚のイエローカードを続けざまに受けるという審判の暴挙に苦しめられ、
前半終了間際にはセンターバックの田村が退場。
守備の要である斉藤も累積警告で欠き、ひとり少ないベルマーレ。
試合は、すでに勝敗を占うレベルではなくなったように思えた。
ずば抜けた個人技で圧倒するかと思われたヴェルディの攻撃陣がトーンダウン。
10人となりながらも組織の力で立て直したチームを、
指揮官は過去の「湘南の暴れん坊」という愛称にかけて、「湘南の頑張り屋さん」と絶賛。
試合はベルマーレが支配した。
そして、坂本鉱司が奮起する。
次節からに試合出場停止になる坂本。
不可解なイエローカードを受けた瞬間に、坂本はその悔しさを全身で表現した。
どうしてもこの試合を落としてはいけないという気迫にあふれたプレーが奇跡を生む。
ロスタイム、ドリブルで突破した坂本の折り返しをエドワルド・マルケスが押し込み、同点。
さらに、最後のプレーでは、カウンターでゴールを狙うフッキを、退場覚悟で捕まえ、
失点を阻止した(ファウルはシュートにつながったために流れてプレーオンとなった)。
プレー自体は決してほめられたプレーではないが、
間違いなく、彼はこの勝ち点1の重みを誰よりも感じていた。
責任感の強く、誰よりもチームを愛する男がチームを救った。
イエロー13枚。
審判のジャッジにも疑問は大いに残るが、この試合で得た勝ち点1は、
湘南ベルマーレに昇格に向けて前進する大きな勇気を与えたに違いない。

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