BELLMARE

湘南ベルマーレ、ルヴァンカップ初の決勝進出。全員でつかんだタイトルへの挑戦権。

湘南BMWビッグフラッグ

10月14日、ルヴァンカップ準決勝を迎えた平塚BMWスタジアムは快晴だけれど秋のひんやりとした空気にも包まれていた。

ルヴァンカップ準決勝。湘南の対戦相手は、柏レイソル

これまで、柏レイソルとの試合を平塚で2回観戦したことがある。

サッカーを初めて生で観戦したのが1996年のホームでのJリーグ平塚-柏戦。
当時中田英寿が2年目で、柏には前年までベルマーレでヘッドコーチを務めていたニカノールがいて、
いま柏の監督をしている加藤望も先発していた。
ベルマーレFWのパウリーニョがシュートチャンスを外しまくったこととか、ボランチのシモンがフィットしていて頼もしかったこととか、
柏のエジウソンがギュンギュンドリブルしていたのも、
TVを通して応援していた平塚競技場の芝の美しさに感動していたのと、今でも覚えてる。
試合は0-1で負けたけれど、うきうきしていた。
ちなみに、その時得点したのは大分で監督をしている片野坂。

次に柏との試合を見たのは2006年、J2でホーム最終戦。
柏はJ1昇格がかかった重要な試合で、ベルマーレは12チーム中11位でこのシーズンを終えることになるけれど、
シーズン途中で菅野監督が就任してから微かな、(ひょっとしたらちょっと風が吹けば飛ばされてしまいそうな)手ごたえを感じていたそんな頃。
たぶん、うちが個人事業主としてサポートコーポレーションを始めた年

ベルマーレにはアジエルがいて、いまは仙台の石原直樹がスタメンに定着したけれど、
DFラインは頼りなく、今も持っている22番のタオルマフラーはこの日スタメンだった松本昂聡のもの。
1996年に柏のユニフォームを着てピッチを走り回っていた加藤望は湘南のユニフォームを着て
やっぱり同じように元気に走り回っていた。

試合は0-3でぐうの音も出ない敗戦。
試合後、昇格を決めたレイソルはアウェー応援席の前で大騒ぎをしていて、
惨敗したシーズンのホーム最終戦後のセレモニーといういわゆる公開処刑を迎えるベルマーレの選手たちはただそれをじっと眺めていて。
何年たつかわからないけれど、いつかあっち側の人間にならなきゃいけないって、7ゲートのシートに座ったままじっと見ていたことも覚えてる。
帰り道、試合前にご機嫌な車から大音量で流れていたスガシカオの午後のパレードのリフレインを感じながら平塚駅に向かった。

今日はタイトルへの挑戦権をかけて、柏レイソルをホームで迎えている。
加藤望は、今日は柏の監督としてピッチサイドに立っていた。

会場に展示されていたルヴァンカップ

前座試合で感じたクラブの成長

やっとここまで来たんだな。と実感したのは、前座試合。

小学生が試合をしていて、ピッチサイズが広く、慣れない11人制でサッカーをしていたのは地元小学生。
三の丸FCと、あとどこか忘れた。
終了後、試合を終えた小さなフットボーラーたちの中から4人がインタビューに一人ずつ応え、
憧れのサッカー選手の名前として、全員がホームチームベルマーレの選手の名前を挙げていた

以前は、ベルマーレの選手の名前なんて小学生の口からは出てこなくて、
海外のスター選手や日本代表の選手の名前ばかりを聞いていて、アジエルくらいからかな、
湘南の選手の名前が出てくるたびに拍手が起こっていた気がする。
それが当たり前になっているなんて、ちょっと前では考えもつかなかった。

やっとここまで来たんだなと。

いろんな人が頑張って、努力して、報われなくてもかじりついて、やっとここまで来たんだな。

見慣れた景色に見慣れたGKの存在

試合前のウォーミングアップ。
いつもの見慣れたウォーミングアップの風景。

柏のGKのキックはタッチラインを割ることが多く、キックの精度は低いな、と感じていた。
こんなことを思えるのは本当に贅沢なのかもしれない。
J2で下位に低迷していたころのベルマーレのGKのキックなんてもっとひどいものだった。
秋元が来てくれて、そして帰ってきてくれて本当によかったなと、もう一度ホームチームのウォーミングアップに目を移す。
いつもと変わらないGK秋元の姿がそこにはある。

そして、いつものようにキックオフの笛が鳴る。

セカンドボールへの出足で圧倒するベルマーレ。
石川が先制ゴールを決め、その後も次々とゴールに迫る。
バックパスの処理にもたつく柏GK滝本からボールを奪った山崎のシュートはクロスバーを叩く。

狙いははまっていた。
GKからの供給は精度が低く、クリスティアーノにも自由にさせていないし、苛立ちも見えていた。
追加点を奪ってとっとと終わりにしたいゲームだった。
終わりにしなきゃいけないゲームだった。
そんな中でも秋元はゴール前の芝の感触が気になるようでスパイクで入念に地ならししていた。

苦しい時に頑張れる人がいる

後半。
気持ちが受け身になっていたのだろう、失点。
1-1。
相手にもしあと一点奪われたら、同点に追いついてもアウェーゴールで敗退してしまう。
アドバンテージも、リードも生かせず、決定的なシーンを何度も逃し続けて、気が付けば圧倒的不利な状況。

そんなときに投入された高山薫、必死のスプリントでチームを活性化する。
何度もボールを追い回す。

山崎も献身的にボールを収め、苦しいチームを何度も救う。

苦しい時に頑張れる人がいる。
これが今のチームの強さ。

タイムアップの笛、試合は延長戦を迎える。
湘南ベンチ前、大きな円陣は解け、歓声と拍手は選手たちを送り出す。

延長戦、湘南ベンチ前には大きな円陣

延長戦

延長戦、早々にセットプレイから放り込まれたボール、
ゴール前で柏GK滝本が触れず、ファーサイドに詰めた坂が押し込んでリードを奪う。

反撃を試みる柏は、それまで左サイドに固定されていたクリスティアーノの右に配置。
これで死に体だった柏の右サイドが活性化。
右サイドを駆け抜けた小池のクロスからファーサイドに詰めた山崎の同点ゴールが生まれる。

延長戦終了間際、立て続けに迎えたピンチも秋元がマウスの外に弾き出し、試合は終了。
タイトルマッチへの挑戦権は、PK戦にゆだねられる。

それでも彼らを決勝に

PK戦。
普段日の目を浴びることの少ないGKにとってはヒーローになれる檜舞台。
でも、それを楽しむことを許されないくらいに思い空気感。
アドバンテージもリードも生かせずに追いつかれて迎えるPK戦。

追加点を奪えなかったことがこの試合のすべてだとわかっているけれど、
それでも彼らを決勝の舞台に立たせてあげたい。

3人目、梅崎。
16キロ走った、プレーもキレていた。仲間を鼓舞し、サポーターを何度も煽り、チームを救った。
誰よりも責任感が強い。
梅崎がPK戦のメンバーに入ることは誰が見ても至極当然のことだけれど、外す気がしていた。
どうやら監督インタビューで、チョウ監督も外すと思っていたことを明言していた。

だから、外してもなんとなく安心した。
柏、4人目。江坂のキックはクロスバーに弾き返される。

そういえば、
10/26にこの平塚で優勝争いをしている川崎フロンターレを迎え、
秋元は昨年得点王の小林悠のPKを止めている。
真正面にけられたボールを動かず、はじき返しているわけで、
ひょっとしたらこのプレーがあったから、柏のキッカーは正面には蹴りにくいんじゃないか。
すでにPK戦が始まる前から優位に立っていたんじゃないか。

そんな仮説を立てている間にルーキー金子大毅は堂々と正面に蹴りこむ。
この子のやることは本当によくわからない。
現代っ子というのともちょっと違う。いい意味で空気を読めない子だ。

柏6人目、山崎をペナルティスポットに向かえる間に、
場内には秋元のチャントがこだましていた。
普段は入場時のビッグウェーブくらいしか歌わないメイン指定席のサポーターもみんな歌っていた。

ボールがクロスバーの上を通過し、
ウールシュポルトのエアロレッドをグローブにはめたヒーローが両手を広げてベンチに向かって走り出していた時、
ふとこんなことを思い出した。

今年、小児がんで亡くなった小さなサポーターのヒーローは秋元陽太だった

かれんは人一倍、恩を感じる娘です。
いただいたボールとユニフォームを着て、天国からベルマーレを見守っていると思います。ベルマーレがピンチを切り抜けた時の1回くらいは、かれんの仕業かもしれないですね(笑)
13歳と24日を一生懸命生きました。

ひょっとしたら2回だったかも。

ゴールキーパーコーチさえも振り払い、ベンチに向かい大きく飛び上がった巨漢。
あまりこういった感情表現をすることのない選手だったから、
きっと、僕らが想像できる範囲をはるかに超えていろんなものを背負ってあそこに立っていたんだな、と思わざるを得なかった。

決勝進出。

彼らは10/27、決勝、さいたまスタジアムに立つ

ベストメンバー規定で罰金食らったりもしたが、
それもチーム全員で戦ってきたことの証明。

湘南ベルマーレとして初めてのタイトルを。

でも、欲張りな僕らは期待してしまう。
J1・・・リーグ残留。お願いします。


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